劇場版SAOプロダクション・ブックの事後通信販売/松坂桃李と姫宮桃李

 映画「劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」の『プロダクション・ブック』は、東京ビッグサイトで今月十一日から十三日まで開催されていたコミックマーケットで先行販売されていたが、終了後の昨日昼十二時以降、アニプレックスプラス(ANIPLEX+)公式サイトにおいて事後通信販売の受付が始まった。それで昨日中には予約を完了した。
 ところで。
 桃李という名は極めて珍しく、現実世界では松坂桃李の名としてしか聞いたことがないが、架空世界には姫宮桃李という名の著名人が存在する。松坂桃李は姫宮桃李の存在を知っているのだろうか?と思いながら、二〇一一年発行の松坂桃李写真集「道」を久し振りに眺めた。

youtubeモンストアニメ公式チャンネル第二期第二十話

 youtubeモンストアニメ公式チャンネル(https://www.youtube.com/channel/UCWzenZSy9GJBcPzdSm-UX5w)で「モンスターストライク」アニメ本編を視聴。
 第二十話「神殺しの提督ネイヴィス」。
 媽祖の臣下、千里眼は媽祖が生きている気配を感じることを宣言。千里眼が真の能力を発揮すれば媽祖を発見できるが、真の能力を発揮できるためには先ずは相棒の順風耳を見付け出さなければならなかった。媽祖が何者かに襲撃されたとき、媽祖と一緒にいた千里眼と順風耳は遠くへ放り出されてしまい、別れさせられてしまっていた。そこで千里眼は自身の能力だけで順風耳の居場所を透視。居場所は九份であると判明。
 この間、注目に値するのは、見るからに柄の悪い海賊エドワード・ティーチとサン・カモメーノが媽祖の財宝の行方を気にしていたこと。もちろん千里眼は柄の悪い両名には財宝を渡さないことを述べたが、このことは、媽祖の近臣である千里眼がエドワード・ティーチとサン・カモメーノを快く思っていないこと、対するにエドワード・ティーチとサン・カモメーノには媽祖を亡きものにしたい理由があったことを物語る。サン・カモメーノが、千里眼に対して媽祖を襲撃した真犯人を本当に知らないのかを確認していたことも明らかに怪しかった。
 翌日、一行は、焔レンとマナ・リビングストンと謎の少女(愛称「メイメイ」)と千里眼の組、オラゴンと水澤葵と若葉皆実と影月明の組、そして海賊アルビダの組の三組に分かれて順風耳を探索。
 影月明は台湾の観光名所である九份の華やかな景色を観て何か懐かしさを覚え、若葉皆実は宮崎駿の顔真似をしてその懐かしさが「千と千尋の神隠し」の景色によく似ていることから来ているのだろうことを示唆した。
 一人で千里眼を探索しようとしていたアルビダは、再び襲撃してきた提督カレン・ネイヴィスとの戦闘に巻き込まれた。しかし、この戦闘の過程でアルビダは宿敵カレン・ネイヴィスが媽祖を襲撃した犯人ではないらしいことに気付いた。換言すればエドワード・ティーチとサン・カモメーノが嘘を云っていたことに気付いた。
 同じ頃、焔レンとマナ・リビングストンと千里眼は、彼方の空に提督カレン・ネイヴィスが出現したことに気を取られていた間に、謎の少女「メイメイ」を見失っていた。しかし直後に、千里眼は意外にあっさり順風耳を発見した。
 謎の少女「メイメイ」は、一行の様子を偵察に来ていたサン・カモメーノに気付いてその後を追跡し、エドワード・ティーチの海賊船に乗り込んでいた。「メイメイ」もオラゴンと同じくエドワード・ティーチとサン・カモメーノを疑っていたらしい。
 ところで、マナ・リビングストンと一緒に来ていたワルプルギスはどこへ行ったのだろうか。

松山祭と人造昆虫カブトボーグとハイロー金ロー

 松山の現在の中心地をなす大街道と千舟町で八月前半に開催される松山祭は、徳島の阿波踊に倣い、野球拳踊と野球拳サンバを商店街で行う商工会議所主催の夏イヴェントだが、近年は松山城三之丸堀之内公園の広大な広場をも会場の一つに加えている。野球拳踊は、伊予鉄道の幹部だった川柳作家の前田伍健が詞を作った野球拳に基づく盆踊で、それの変形版が野球拳サンバ。
 近年は特に見物することもなかったが、今年は見かけることさえもないまま、今日、最終日の三日目を迎えた。しかるに夜七時半頃、松山城三之丸堀之内公園の会場を通りがかったところ、意外に多くの人々が集まっていて賑わっていた。疲れていたので特に見物することもなく屋台の鰻を食べることもなく会場を去ろうとしていたところ、背後からは水樹奈々の歌が聞こえていた。新居浜駅や松山の高島屋の地下で流れている歌に他ならない。あの歌でサンバを踊る人々がいたということか。
 ところで。
 著名なテレヴィアニメ「人造昆虫カブトボーグ」に登場した淫らな「中島さん」の中島島では中島家の凶暴な姉妹が真夏の島のイヴェントとして盆踊とサンバの対決を繰り広げていたが(第37期)、これは松山祭に因んでいるのではないかと推察される。根拠としては、日本ボーグバトル財団松山ボーグマシン研究所が「愛媛県松山」にあると説明されていること(第27期)、「ZOO」と呼ばれる動物園で人気を集める白熊ピークとその飼育員の低一が松山に隣接する砥部町にある「とべZOO」の白熊ピースと高市飼育員に因んでいることが明らかであること(第34期)、その上で、中島といえば瀬戸内海にある忽那諸島の中島(松山市中島町)を連想させること、盆踊とサンバの組み合わせは松山祭の特徴であることが挙げられる。
 今年の野球拳踊の初日にあたる金曜日の夜、テレヴィ番組「金ロー」で映画「ハイロー」が放映されたところ、映画の見所の八割が削除される酷い編集を施されていたということでファンの人々がインターネット上に悲鳴を上げたらしいが(ハイロー金ロー事件)、この映画「ハイロー」の脚本陣の中には「人造昆虫カブトボーグ」龍昇ケンの声優として知られる渡辺啓も名を連ねていると聞いた。

Mr.スコップの闇/烏天狗と天狗のバトルでケータ全裸/三途の川まで逝ってQ

 ニコニコ動画の「テレビ東京あにてれちゃんねる」(http://ch.nicovideo.jp/ch7)内の「妖怪ウォッチ」公式チャンネル(http://ch.nicovideo.jp/youkai-watch)で配信された第百八十二話を視聴。
 一。
 バスターズトレジャー編第四回「砂漠をホリホリ掘り放題!」。
 大大大冒険家を自称するインディ・ジョーズにとっては冒険について語り合う仲間である掘出物商人のMr.スコップ。一見それなりに愛らしくもある彼には実はとんでもなく深い闇があるらしいと発覚。その闇が何であるのか、真相は明かされなかった。なぜなら真相を知りたがったコマさんもジバニャンも、Mr.スコップの闇の深さをあまりにも恐れて、真相の程を「掘る」ことを避けたから。今回ばかりは「大大大冒険家のインデイさんズラ」ことインディー・ジョーズも目立つ程には出る幕がなかった。
 二。
 天狗たちの熾烈なる戦い!事件。
 烏天狗が登場。もちろん古典妖怪。凄まじく強い風が吹いたのは妖怪の所為ではないか?とケータとジバニャンが疑い、ウィスパーがそんな妖怪がいるわけがないと一蹴したにもかかわらず直後に烏天狗その人が姿を見せたとき、ウィスパーは「こてん!」と云って転倒した。
 烏天狗と天狗は仲違いをして何時も喧嘩をしていて、両名の喧嘩に立ち会うのはネクラマテングの役目であることも判明。烏天狗は美形だが、美形ではない天狗の方が何となく格好よい。
 烏天狗と天狗がそれぞれの惹き起こし得る風の強さを競い合ったとき、強風によってケータの衣服が全て吹き飛ばされ、全裸になったが、幸い、天狗の葉団扇のヤツデの葉一枚で淫部のみ隠された。
 もともと、この話の発端はケータと一緒にハイキングに来ていたクマとカンチの帽子が強風で飛ばされたことにあったが、果たしてその後クマとカンチはどこへ去ったのか。どうして両名は今回だけ帽子を被っていたのか。否、むしろケータだけはどうして帽子を被っていなかったのか。一つ確かなことは、クマとカンチの帽子を二つともネクラマテングが拾っていたこと。
 三。
 妖怪バタンQ事件。
 疲れ果てた人を急に眠らせてしまう妖怪ばたんQ。泣く子も黙るレジェンド妖怪。ばたんQのその技は「三途の川まで逝ってQ」と呼ばれる。川の此岸は意外に心地よい場所であるらしいが、何かの弾みで彼岸へ渡ってしまえば、もはや睡眠から覚めることを得なくなる。今回、なぜかケータもコマさん&コマじろうもヒキコウモリもメラメライオンも三途の川に招かれていたが、幸い、ばたんQによる再度の「三途の川まで逝ってQ」によってジバニャン&ウィスパーと入れ換えられて生き返った。しかるに既に彼岸へ渡って彼岸花に包まれていた人面犬だけは、三途の川を渡る小舟の船頭になっていた。

あかがねミュージアム新居浜市美術館のジブリの動画家近藤勝也展

 昼、新居浜へ行くべく外出。市内電車に乗り遅れたのでJR松山駅にも到着し遅れ、ゆえに二時二十三分発の特急には間に合わないかと思っていたが、当の列車の出発が十分間ばかり遅れていたおかげで辛うじて飛び乗ることを得た。
 それで三時三十五分頃には新居浜駅へ到着。駅から新居浜市総合文化施設あかがねミュージアムへ至る道の脇には新居浜市美術館で開催されている「近藤勝也展」の幟が並んでいた。
 昼食を摂っていなくて流石に空腹だったので、あかがねミュージアムに着くや先ずは玄関ホールの中央の円形劇場型の階段の下にあるカフェで、ブルーベリーのワッフルプレートとアイスのカフェオレを注文した。本当は期間限定「となりの森のパフェ」を試してみたかったが、生憎、直前に売り切れたらしい。近くの卓では、ここの学芸員と見られる二人が、芸術家か芸術家御遺族かと見られる一人の接客をしていたと思しい。事業の内容について熱心に丁寧に説明していたところから窺うに、かなりの大物芸術家だったのだろうか。
 あかがねミュージアム新居浜市美術館では七月八日から九月十日までの間、「新居浜が生んだジブリの動画家 近藤勝也展」を開催している。新居浜市は旧新居浜市立郷土美術館の時代にも近藤勝也展を開催していたから、かなり早くから顕彰を始め、信頼関係を継続しているのだろう。今回は市制施行八十周年記念事業と銘打ち、新設された県内最高の美術館で開催した格好。もちろん巡回展ではなく、あくまでも新居浜市独自の企画。
 会場内に撮影可能な場所を設けるのは、ジブリの展覧会では毎度のサーヴィス。
 会場外の色々な場所の壁面には「魔女の宅急便」のあの黒猫氏が歩いていて、もちろん撮影可能。
 展示室の出口の先には特設ショップがあるので、多くの鑑賞者はそのまま特設ショップに行くに相違ないが、注意を要するのは、その反対側の、展示室の入口の近くにある別の展示室にはシアターが設けられているということ。そこは順路から外れてしまっているので多くの鑑賞者がその存在に気付いていないのではないかと危惧された。実際、そこには人が一人もいなかった。
 特設ショップでは黒猫氏グッズを五点も買った。展覧会図録も一冊。この図録は新居浜市美術館のこの展覧会のために編集されたオリジナル版であり、価値がある。
 あかがねミュージアムの玄関ホールの中央にある円形劇場型の階段では、夕方、「笑顔甲子園」というイヴェントの様子を伝える映像が上映されていて、夕方六時十五分頃だったか、どうやら出場者だったかと思しい人々が何人か賑やかに入館して階段型の座席に行き、映像を皆で観戦していた。
 新居浜駅へ行ってみれば、特急列車の指定席の自動券売機があった。先月二十九日、宇和島へ行った際、宇和島駅にはそれがなかったのでtwitterに「特急列車の指定席を買える自動券売機は、県内ではどうやら松山駅にしかないらしい。伊予西条駅にも新居浜駅前にもなかったし、今日、宇和島駅にもないことを確認し得た。自由席のみの自動券売機では普通のクレジットカードを使用できないので、いろいろ不便」と投稿したが、これは間違いだったと確認した。訂正しておく。流石、新居浜駅。そして構内には水樹奈々の歌が流れていた。
 出立の時刻まで余裕があったので、駅前にある大型食料品店に行き、玄関脇にあるパン店の珈琲クリーム餡パンを買って店内で暫し休憩。列車到着の時刻には五分間の遅れ。松山駅には夜七時半頃に帰着。市内電車で道後まで戻り、大型食料品店に寄って帰宅したのは八時半頃だったろうか。

マギ第三十四巻

 大高忍『マギ』第三十四巻。
 去る五月二十一日にも記したように、第一巻の第二夜の、アラジンとアリババが出会って一緒に冒険を始めたのを読んでいたときには、これからどんなにか楽しい物語になるのだろうかと期待していたが、その後、期待感は一向に満たされないまま、どんどんどんどん妙な方角へ話が転落してゆくことに戸惑い続けてきた。第三十三巻に至っては、神の多重構造における内部と外部の転換の方法という反則が繰り出されてしまったので、流石に呆れるしかなかった。劇中でウーゴが述べていたように、これは物語の登場人物と物語の作者が入れ替わる方法と同じであるから、云わば物語の破壊でしかない。
 物語は現実ではなく仮想ではあるが、それが説得力と魅力を有し得るのは、可能性を必然性において探究してみせるからであり、探究の論理性によって現実を超える現実性を現出させるからであると云える。少なくとも古代のアリストテレースは『詩学』においてそう考えたし、今日でも大概そう考えて間違いないように思われる。
 そして『マギ』の現状に甚だ弱るのは、ギャグとして出すのは差し支えなくとも大真面目にやってはならないことを堂々やってしまっているからに他ならない。アラジンやシンドバッドの物語には実は聖宮のウーゴという作者がいたが、実はウーゴは、ソロモンやウーゴ自身の物語に対して作者の位置にあった上位の神の位置を見破り、それよりも上位に立つことに成功していた。そこでシンドバッドはウーゴの優位に立つことで、ウーゴが支配していた物語に対して作者の位置に立ち得た。このようなことが本当に可能であるなら、次にはシンドバッドは、このようなシンドバッドの物語を作っている大高忍という神の位置を見破ってそれよりも上位に立つことにも成功して良いことになりはしないか。そのとき、アラジンやアリババやシンドバッドの物語を描いているつもりの大高忍の物語を、シンドバッドが描くことになるのだろう。しかし、これは馬鹿げた話ではなかろうか。
 そのようなわけで、『マギ』第三十四巻をもはや熱意を込めては読み得なくなってしまっているが、第三十三巻まで付き合ってきた以上、一応は最期まで見届けざるを得ない気がしている。明日以降、『マギ シンドバッドの冒険』第十四巻にも取り掛かることだろう。
 第三十四巻で驚かされたのは、アラジンとアリババと練白龍とジュダルがシンドバッドの分身をなす七つのダンジョンに挑戦し始め、第一のダンジョンを攻略したあと、第二のダンジョンに突入した時点までしか収録されていないこと。この調子では多分、第三十五巻でも話は終わらないに相違ない。ここまで無茶なことをやって、それでも話を継続してゆくというのは、案外、話を畳めなくなっているのではないのか。