マツケン踊る!親分探偵

フジテレビ系「金曜エンタテイメント」は「特別企画」と銘打ち、マツケン松平健主演ドラマ「踊る!親分探偵」を夜九時から堂々二時間放送した。脚本は扇澤延男。監督は小平裕。東映の制作。
途中から見たが、面白かった。とても単純明快で、曇りなく分かり易くて痛快で、素直に楽しめた。やはりマツケンは斯くあるべきだ。こうした娯楽的な番組は精神衛生上とても好ましい。続編を待望しておきたい。出演者の顔触れも好ましかった。元ヤクザ親分で現在おでん屋を営んでいるハシケン親分=橋場健二(松平健)の子分は恩田正義(麿赤兒)・横尾克彦(小倉久寛)・岩切力夫(大倉孝二)・春山淳(泉政行)の四人。ハシケンに片想いの女、水口冴子(高島礼子)。ハシケンの義母、吉原妙(佐々木すみ江)。公園で殺害された変態盗撮魔の須藤久之(窪寺昭)。盗撮魔を公園で殺害したのは強姦魔の馬鹿大学生(近藤公園)で、彼の父親は大物政治家(浜田晃)。というわけで奇人・怪人が揃っていた。
制作に東映が入っているのが面白い。考えてみれば時代劇の傑作「暴れん坊将軍」も東映の作品だし、マツケン松平健東映に深い所縁がある。
関連して云えば、昨年末のマツケン主演「忠臣蔵」も東映の作品で、あれに赤穂浪士役で出演した四十七人中、岡野金右衛門役の要潤は二〇〇一年「仮面ライダーアギト」氷川誠=G3/G3-X、矢頭右衛門七役の冨田翔は二〇〇三年「爆竜戦隊アバレンジャー」三条幸人=アバレブルーで、それぞれ東映には所縁が深かった。で、今宵の「踊る!親分探偵」の場合、ハシケン親分の子分の一人、春山淳を演じた泉政行がこれまた二〇〇三年「仮面ライダー555ファイズ)」ホースオルフェノク=木場勇治で、云わば東映育ちの俳優なのだ。なお、盗撮魔役の窪寺昭は二〇〇四年「仮面ライダー剣ブレイド)」のギラファノコギリクワガタ虫アンデッド金居。
ドラマの最後には無論「マツケンサンバ」。物語の舞台となった浅草の名物「浅草カーニバル」で、唄って踊れるアイドル松平健が、麿赤兒小倉久寛大倉孝二・泉政行を従え、腰元ダンサーズを率いて唄い踊っていた。