仮面ライダーカブト第二話

テレビ朝日系“スーパーヒーロータイム”ドラマ「仮面ライダーカブト」。水嶋ヒロ佐藤祐基主演。第二話。
マスクドフォームはライダーフォームへ脱皮。仮面ライダーカブトの真の姿が明らかになった。それにしても、「変身!」の一言の有無だけで大きな差が生まれるのは不思議だ。トドメの一撃「ライダーキック」の有無は視聴者の興奮度に大きく左右するようだ。沢山の自動車を使用しての盛大な戦闘場面ばかりではなく話の全てが高テンションで進んでいて楽しめる。特撮ドラマ本来の面白さがある。仮面ライダー誕生三十五周年記念番組に相応しい。
仮面ライダーカブトに変身する自信満々の謎の男、天道総司水嶋ヒロ)は何から何まで全てにおいて隙がなく無敵で、まさしく少年たちのヒーローに相応しい。一瞬「何だコイツ?」と思わせるようなことも多々あるが、次の瞬間には彼の正しさが証明される。例えば日下部ひより里中唯)の働く「Bistro la Salle」の場面。中年男三人の客の煙草に水をかけて火を消した無愛想な日下部ひよりに対し、客三人組は当然怒ったが、そこに現れた天道総司は今度は三人組に水をかけた。もちろん三人は怒った。視聴者も驚く。でも天道総司は自信満々言い放った。子供が煙たがっているではないか!と。なるほど!そういうことだったのか。確かに客三馬鹿の云う通り食卓上に灰皿がある以上は喫煙は許されている。それでも近くの席に小さな子供がいれば遠慮するのが大人の振る舞いではないか。そして逆切れして掴みかかった三馬鹿を天道総司は一撃で倒したのだろう。彼らは悲鳴を上げながら逃げ去った。こうして見事に正義と平和を守ったあと店内の席に着いて何故か鯖の味噌煮を注文した天道総司。「ビストロ」にそれはないだろう?と思わせて、実はそれは店員のための賄い料理で、彼は驚異の臭覚によってその存在を嗅ぎ分けたらしい。
で、鯖の味噌煮を彼に食われてしまった惨めな加賀美新佐藤祐基)。賄い料理を食うのを楽しみにしていたらしいのに。仮面ライダーに変身するための「ゼクター」にも何故か相手にしてもらえない点や、超高速戦闘の場面で煽りを喰らい飛ばされていたとき(視聴者から見れば逆に超低速で)宙に浮いていた点をはじめ、どう見ても番組内イジメラ児の位置にある加賀美新は、完全無欠で無敵の天道総司とは逆に、視聴者に極めて近い地点にいる。視聴者は加賀美新とともに歩みながら天道総司を見詰めてゆくことができる。役柄の配置には抜かりがない。
番組の公式サイト(http://www.tv-asahi.co.jp/kabuto/)を今見たところ何と!サバの味噌煮の作り方について説明してある。凄い番組だ。