江戸の旅日記

『江戸の旅日記-「徳川啓蒙期」の博物学者たち』という書物を読んだ。江戸時代の中期から後期にかけて各地を旅行した知識人たちの日記・旅行記を読み、彼らの拓いた新知見の素晴らしさを再発見、再評価する極めて興味深い内容で、登場する旅人たちの顔触れも、貝原益軒本居宣長菅江真澄のような学者、司馬江漢・渡辺崋山のような画家ばかりか、松浦静山のような大名から富本繁太夫のような旅芸人まで多岐にわたり、最後に明治の新時代まで生きた蝦夷地探険家の松浦武四郎を取り上げているのも、日本における「近代」「啓蒙」を考える上で意義深い。で、この書の著者はスイス生まれの日本文学研究者ヘルベルト・プルチョウ博士なのだが、実はカリフォルニア大学の名誉教授であると同時に城西国際大学の名誉教授でもある。城西国際大学と云えばKAT-TUN田中聖の通う学校ではないか。

江戸の旅日記―「徳川啓蒙期」の博物学者たち (集英社新書)