仮面ライダーカブト第三話

テレビ朝日系“スーパーヒーロータイム”ドラマ「仮面ライダーカブト」。水嶋ヒロ佐藤祐基主演。第三話。
加賀美新佐藤祐基)は、「Bistro la Salle」の店員しか食うことのできない賄い料理、日下部ひより里中唯)製のサバ味噌煮をまたしても天道総司水嶋ヒロ)に横取りされてしまった。しかも怒る加賀美に対し天道は、最高のサバ味噌煮を作って妹の天道樹花(奥村夏未)にも食わせるため、食材として最高のサバを仕入れて届けるよう命じたのだ。このことが以後の不思議な不調和の調和を生み出して面白かった。ワームに襲撃された被害者ユキ(菊地美香)の偽者を尾行していたところ敢えなく失敗し焦っていた加賀美に、サバの心配ばかりの天道。擬態ワーム発見のため悠然と大胆な作戦に出た天道と、必死にその補助に尽力しボロボロになっていた加賀美。両名にはそれぞれ異なる時間が流れているのではないかとさえ思える程の、両名の行動における速度感の違い。天道は一撃で数人を投げ飛ばし、加賀美は体当たりで一人を倒しても直ぐに数人に反撃されて逆に押さえつけられてしまう。仮面ライダーカブトは超高速戦闘を繰り広げ、その速度たるや人間には認識し得ない程の高速だが、思えば諸動物はそれぞれ別の「文化的時間」を生きているのかもしれないわけで、そうした時間というものの不統一性、非均質性の問題がこの物語世界の基底に置かれてあるのだろうか。