夜王YAOH第六話

TBS金曜ドラマ「夜王YAOH」。倉科遼井上紀良原作(作&画)。いずみ吉紘脚本。主題歌=TOKIO「Mr.Traveling Man」。ホスト監修=零士&大内基。貴島誠一郎チーフプロデューサー。加藤章一プロデューサー。堀英樹演出。ドリマックス・テレビジョン&TBS製作。松岡昌宏主演。第六話。
先週までは一話完結式だったが、今宵は完結を見なかった。その結末は次週に描かれることだろう。全十一話の物語の中で今週から次週にかけての二話が一つの、そして最大の山場を形作るのだろうか。それにしても今宵の急展開には長瀬智也の歌う主題歌の英雄的な響きがよく似合った。
所謂バブル時代に一時代を築いたファッションブランド「ジュリアン」の社長、岡崎(岩城滉一)は、時代遅れに因る業績不振を打開するため、主力デザイナーとして加納麗美(かたせ梨乃)を取り込みたいと企て、的場遼介(松岡昌宏)に接近したものの毅然として断られたことで理不尽にも激怒。報復を兼ねた圧力として、揚羽ママ(佐田真由美)率いるホステスの集団を新宿歌舞伎町ホストクラブ「ロミオ」に向かわせ、開店早々全席を占拠させた。店を一晩「ジャック」したのだ。多分こういうのは実際に時々あるのだろうと思う。ささやかな例だが、吾が行き付けのバーもライヴァル店のマスター率いる集団にカウンター席を占拠されて雰囲気を荒らされたことがあったものだ(ちなみにその後、当のライヴァル店は倒産、行き付け店は今なお繁盛中)。
今回の激動の中、遼介と麗美との間の信頼と愛の物語のほかに大きな二つの動きがあった。一つ、追い詰められた遼介は、麗美の不治の病をめぐる苦悩について、修(要潤)と夏輝(石垣佑磨)と金四郎(佐藤二朗)に告白。これによって遼介派の結束がさらに固まった。かねてから修は、遼介が問題を何時も一人で抱え込んでしまおうとしていることに物足りなさを感じていたのだ。他方、No.1ホストの聖也(北村一輝)は、オーナーの矢島輝彦(内藤剛志)に対し、この騒動の解決を引き受ける代わりに店を譲り渡すよう要求。矢島に拒否されたのに伴い、暫くは騒動を静観することに決した。その間、聖也派のホストは店外での営業活動に尽力。具体的には、No.2の蓮(須賀貴匡)やNo.3大河(青木伸輔)のベッドシーンが映された。ところで、彼ら二人と比較するとき、No.4の光(忍成修吾)の特異な位置が見えてくる。聖也の真髄を理解している真の腹心は、蓮や大河ではなく光に相違ないと思われる。なお、聖也派ホスト若手三人衆の一人、勇作(水谷百輔)はホステス団の一人のグラスを倒してしまい、叱られていた。