神はサイコロを振らない第七話

日本テレビ水曜ドラマ「神はサイコロを振らない」。大石英司原作。水橋文美江脚本。櫨山裕子&内山雅博プロデュース。仲西匡&吉川慶音楽。主題歌=Ryohei feat.VERBAL(m-flo)「onelove」。オフィスクレッシェンド制作協力。小林聡美ともさかりえ主演。佐藤東弥演出。第七話。
十年間の時差が瞬時に発生したときに生じる苦難がこのドラマの基底に置かれている。でも現実には往々歳月のみが悲劇を浄化し得ることもある。神蔵雷蔵ベンガル)の場合がそれだった。黛ヤス子(小林聡美)の努力に対して彼の妻の神蔵英子(大川栄子)や娘の神蔵弘美(遠山景織子)が否定的だったのは、十年前から時空を超えて来た彼にとって十年前のことが今のことであるのを知っている以上、当然だ。でも彼を悩ませる悲劇の当事者、綾瀬翔一(D-BOYS城田優)は既に十年間も生きてきたのだ。小学生は大学生となり、記憶を彼なりの形で浄化、昇華して生きてきたはずなのだ。
ところで、後藤杏子(高橋惠子)と後藤瑠璃子(成海璃子)の母子が演奏会の準備を進めていた場面、作業の補佐をつとめていたスーツ姿の男子は滝直希だったろうか。役名は山口和俊と云うようだ。甲斐航星(中村友也)は今回は後藤瑠璃子の回想の中にしか登場しなかったが、次週には大活躍があるだろうことを予告編によって知る。