NHK紅白歌合戦

NHK「第57回NHK紅白歌合戦」。司会は仲間由紀恵SMAP中居正広
白組一番手(全体では二番目)のw-inds.では千葉涼平緒方龍一がバックダンサー状態。昨年もそうだったが、今年ますます決定的だ。何とかならないものか。白組二番目(四番目)の鳥羽一郎の応援団として登場したのはウルトラマン一家。司会の中居正広のためウルトラマンの言語の通訳をつとめたのはウエンツ瑛士小池徹平。「紅白歌合戦」という特殊な空間ではSMAPと対等に渡り合えるのは後輩のTOKIOではなくWaTなのだ。そして鳥羽一郎の背後で大漁旗を振ったのはゴスペラーズ。紅組四番目(七番目)坂本冬美への応援団は愛媛県松山市中島町の人々。中島町松山市に吸収合併される前、坂本冬美が町への応援歌を歌っていたとのこと。紅組六番目(十一番目)藤あや子の伴奏は津軽三味線上妻宏光。白組六番目(十二番目)細川たかしは「浪花節だよ人生は」の途中で歌詞を忘れたが、謝りつつ勢いで歌い切った。こういう切り抜け方には流石と云うほかない。
余興の時間。「みんなのうた」特集。「北風小僧の寒太郎」を歌う氷川きよし北島三郎の背後の少年合唱団の端にはナインティナイン岡村隆史。ここでの司会進行役はベッキー高見のっぽさんも登場。最後には「WAになっておどろう」大合唱。ここに不在のV6が憐れ。岡村がブレイクダンス披露したあとマイクパフォーマンス。場内に大歓声。
紅組八番目(十六番目)平原綾香の応援に登場したのは荒川静香。華麗なドレスを着てNHKトリノ五輪中継番組の主題曲を歌った。白組九番目(十七番目)美川憲一の応援は無論コロッケ。コロッケの衣裳は美川本物からの貰い物。美川の衣裳は高くとも歌は安い。紅組九番目(十八番目)大塚愛の応援が孫悟空香取慎吾)だったのは何故だろうか。意図を解せない。
白組十番(二十番)オレンジレンジは沖縄から中継放送。こういう遠方からの中継をやると、また北島三郎が怒るではないか。紅組十一番(二十一番)夏川りみ「花」の伴奏はジェイク・シマブクロウクレレ。白組十一番(二十二番)布施明は、今年も「仮面ライダー響鬼」主題歌を歌って欲しい(そして応援には歴代の仮面ライダー勢揃いをして欲しい)との一部の特撮ヒーロー番組ファン間の期待を見事に裏切り、「イマジン」を熱唱。白組十二番(二十四番)前川清はクールファイブを率いて「長崎は今日も雨だった」。今宵限りの再結成。白組十三番(二十六番)ゴスペラーズは童謡を歌った。こういうのは由紀さおり率いる安田姉妹に任せておけばよいのに。前半戦の最後は白組十四番(二十八番)森進一。宿敵の森昌子は紅組十二番(二十三番)。
後半戦。白組十五番(三十番)WaT。昨年のデビュー曲は悪くなかったのに今年のは今一つ。審査員席の背後に座していた宇崎竜童は鳥羽一郎ウルトラマン一家の組み合わせの映像が脳裏に焼き付いて忘れ難く、夢に見そうであるとの感想を述べた。白組十六番(三十二番)スキマスイッチは「ドラえもん」主題歌。しかし「ドラえもん」主題歌中の名歌と云えば私的には武田鉄矢作詞の「ポケットの中に」を挙げたいところ。
白組十七番(三十四番)TOKIO登場。応援は藤山直美。今夏放送の日本テレビ土曜ドラママイボス・マイヒーロー」(「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」)の主題歌だった中島みゆき作詞作曲による大傑作「宙船(そらふね)」を熱演、熱唱した。素晴らしかった。
余興の時間。マッスルミュージカル和田アキ子WaT氷川きよし等をバックダンサーにしてSMAP資生堂の化粧品「TSUBAKIテレヴィCMの主題曲として馴染みの「Dear WOMAN」を歌った。
白組十八番(三十六番)ポルノグラフィティのあと桜塚やっくん登場。紅組側の応援として仲間由紀恵に招き入れられ、紅組十九番(三十七番)小林幸子への導入をした。そのあと白組側にはザ・たっち登場。白組十九番(三十八番)DJオズマ。大勢のダンサー衆の中のほぼ中央にはフジテレビ系「笑っていいとも」いいとも青年隊村中かずき(と見受ける)人物がいて、後半は下着一枚の裸になって元気に踊っていた。驚いたのは、演奏後DJオズマに代わるかのように北島三郎が出現したこと。和議を結んだのか、最初から結託していたのか。何れにせよ北島三郎は侮れないということか。
紅組二十二番(四十三番)今井美樹の伴奏は布袋寅泰のギター。白組二十二番(四十四番)徳永英明は「壊れかけのRadio」。この歌を聴いて初めてラジオが正しくはレディオ(レイディオ)であることを知ったと明かしたのは、確か長瀬智也だったろうか。ここで総合司会の三宅民夫が、DJオズマのバックダンサー(多分、特に女性ダンサー)について少なくない視聴者から「あれは裸ではないのか?」との疑問(というか苦情)が殺到していることを公表し、あれは実は裸に見せかけたボディスーツであることを説明。しかし多くの視聴者に誤解を与えたことについては謝罪した。場内に爆笑が起きたのは無理もないこと。早トチリで直ぐに苦情電話をかける変な人々への笑い、三宅民夫への同情の笑いだろう。白組二十四番(四十八番)コブクロは「風」。レガッタの主題歌を期待していたのに。紅組二十五番(四十九番)倖田來未の白いドレスは、よく見れば殆ど裸同然。DJオズマとは正反対と云えるだろう。
白組二十六番(五十二番)SMAP草磲剛主演ドラマの主題歌「ありがとう」。今年は「トリ」でも「大トリ」でもない。北島三郎にその座を奉還。紅組「トリ」の二十七番(五十三番)は芸能生活三十周年の川中美幸。そして「大トリ」の白組二十七番(五十四番)は北島三郎「祭」。その直前、北島三郎中居正広に慰労の語を与えたときウエンツ瑛士が大きな声で中居正広に「おつかれさま!」と云って真剣な顔で頭を下げていたのを見逃してはならない。ウエンツが皆に愛される理由がここにあるのだろう。で、北島三郎の「祭」。これは最高度に盛り上がる。会場では特に木村拓哉が異様に楽しそうだった。紅白歌合戦は毎年この歌で締めてもよいのではないかとさえ思う。
白組圧勝は必然。中居正広は「やったよ!サブちゃん」。最後「蛍の光」で指揮者をつとめたのは平尾昌晃だった。