今週妻が浮気します第四話

フジテレビ系。ドラマ「今週、妻が浮気します」。第四話。
原案:GoAhead&Co.「今週、妻が浮気します」(中央公論社刊)。脚本:吉田智子。企画:中島久美子(フジテレビドラマ制作センター)。音楽:佐藤直紀。主題歌(エンディング):クレイジーケンバンド「てんやわんやですよ」&オープニング・テーマ:クレイジーケンバンド「た・す・け・て」(Substance Records Corp.)。挿入歌:My Little Lover「あふれる」(avex trax)。プロデューサー:小椋久雄共同テレビ)。制作:フジテレビ&共同テレビ。演出:佐藤祐市共同テレビ)。
堂々ハジメ(ユースケ・サンタマリア)は妻の三枝陶子(石田ゆり子)に浮気をされた。偶々九州から上京してきたハジメの母、房子(大森暁美)は、子と嫁の様子を見て、両名の間に浮気の問題が発生しているに相違ないことを見抜いたが、どうやら少々勘違いをしているようだ。浮気をしたのは嫁ではなく子のハジメであると思い込んだらしいのだ。とはいえ、これは単なる勘違いでもない。房子は子のハジメに対し、陶子は仕事をしながら家事も子育ても疎かにすることもなく立派な嫁であること、しかるに浮気の問題なんかで揉めれば捨てられるのはハジメの方でしかないことを説いた。この説教は、たとえ勘違いから出た言であろうとも、確かに本質を突いてはいる。ここで想起すべきは先週の第三話において「現代公論」編集長の小町ゆかり(江波杏子)が発した言のことだ。馬場敦(和田正人)の大失敗による騒動の只中、職場内の責任者の立場にあるハジメが私用のため職務を離れることを編集長は直ぐに許可したが、その理由は、これまで滅私奉公に努めてきたハジメが今度ばかりは私用を優先したがる以上は余程の事情があるのだろうから…ということにあった。この言が物語るのは、ハジメがこれまで家庭を全く顧みなかったということに他ならない。対する陶子は、房子によれば仕事も家事も子育ても何一つ疎かにはしていない。問題はハジメの側にこそある。その上、離婚したとしても陶子は引き続き仕事に励みながら子も育てられるだろうが、ハジメは困ることだろう。この場合、ハジメが陶子に捨てられるに等しい。房子が本質を見抜いていると評価できる所以だ。そうであれば、浮気の現場に乗り込んだハジメが取るべきだった道は、他所の出版社のライヴァル誌の編集部に引き抜かれると噂のあった泉玉子(ともさかりえ)に対し土下座をして「辞めないでくれ!」と願ったのと同じように、妻に対し土下座をしてでも、「捨てないでくれ!」と願うことだったのかもしれない。しかるに彼は、逆に妻に土下座でもさせようとしているかのような勢いで怒ったのだ。
登場人物(出演者):堂々ハジメ(ユースケ・サンタマリア)/三枝陶子(石田ゆり子)/泉玉子(ともさかりえ)/轟真一郎(沢村一樹)/至宝君子(広田レオナ)。河野恵介(鈴木浩介)/馬場敦(和田正人D-BOYS])/蟻田ミキオ(宅間孝行)/美濃部善男(皆川猿時)/堂々房子(大森暁美)。吉永みり子(西澤ユカ)工藤(矢柴俊博)堂々力(加藤翼)菜月(吉田智美)文壇バーのマスター(山上賢治)。春木耀司(藤井フミヤ)/小町ゆかり(江波杏子)/至宝勝(西村雅彦)。