演歌の女王第七話

日本テレビ系。土曜ドラマ演歌の女王」。第七幕。
脚本:遊川和彦。音楽:池頼広。主題歌:平井堅「君の好きなとこ」(作詞&作曲:平井堅/編曲:亀田誠治デフスターレコーズ)。プロデューサー:大平太&太田雅晴(5年D組)。演出:木内健人。
田丸真佐美(酒井若菜)は、己の生命を命懸けで救ってくれた大河内ひまわり=信友幸子(天海祐希)に対し、泣きながら告白した。本心を他人に見せるのが怖くて、今まで心にもないことをしてきたのだと。本当だろうか。夫への愛が偽りではないなら義母の田丸道代(池内淳子)から受け継いだ呉服店を密かに売却しようとしたのは何故か。本心を他人に知られるのが怖かったと告白した瞬間にもなお、本心は隠されていたとでも云うのだろうか。多分そうではない。田丸真佐美の云う「本心」とは田丸ヒトシ(原田泰造)を心から愛していたという点にあると解すべきだろう。義母を家から追い出そうとしたり呉服店を売却しようとしたりした邪悪な行為の数々については、本心を隠していたわけではなく、本心そのままの行為だったに相違ない。夫への愛が本当は嘘ではなかったのは確かだろうが、幾つもの悪行は本心に反していたわけではないはずだ。あの女が悪人であるのは間違いない。このドラマは何一つ問題を解決しない物語であると云えるだろう。