今週妻が浮気します第七話

フジテレビ系。ドラマ「今週、妻が浮気します」。第七話。
原案:GoAhead&Co.「今週、妻が浮気します」(中央公論社刊)。脚本:小川みづき。企画:中島久美子(フジテレビドラマ制作センター)。音楽:佐藤直紀。主題歌(エンディング):クレイジーケンバンド「てんやわんやですよ」&(オープニング):クレイジーケンバンド「た・す・け・て」(Substance Records Corp.)。挿入歌:My Little Lover「あふれる」(avex trax)。プロデューサー:小椋久雄共同テレビ)。制作:フジテレビ&共同テレビ。演出:佐藤祐市
堂々ハジメ(ユースケ・サンタマリア)はどこまで無神経なのだろうか。彼の妻の三枝陶子(石田ゆり子)が六年前から抱いてきた苦悩について正直に告白したのに彼は「そんなこと?」と呆れてしまったのだ。その「そんなこと」のために妻が六年間も苦しみ続け、挙句に浮気にまで走ってしまったのだという事実を、まともに受け止めようともしないのか。実のところ、働く女が結婚後もなお働き続けるためには、職場に対しては仕事を完璧にこなし、家族に対しては良妻賢母を完全に演じてみせなければならないわけで、それは云わば、一人が二人分を生きるにも等しいことだ。三枝陶子は、夫に対して自分が本当に欲しかったのは家庭の仕事の幾つかの分担なんかではなく、心身ともに限界を超えている自分への労い、慰め、励まし等の言に過ぎないのだと述べたが、これは実に本質的な問題だ。仕事の一部を分担しておけば己の責任が全て果たされたことになるといったような考えは、契約関係を基本とする仕事では許され得ても、愛によって成る家庭という場では許され得ない。実を云えば家族こそは最も過酷な戦場であって濃やかな配慮なくしては生きてゆけない閉鎖社会なのだ。そこのところを勘違いした家族で残虐な殺人事件が生じるのだろう。家族とは、どんな我侭でも許される場であるわけではない。
かつて堂々ハジメの部下で、彼に恋して、彼を三枝陶子から奪おうとして失敗し、現在は流行作家となっている水澤舞(山口紗弥加)。雑誌『現代公論』で小説を連載するに際し担当編集者として堂々ハジメを指名したが、散々振り回し、結局は編集者の交代を要求した。「イケメン」を希望したが、編集長の小町ゆかり(江波杏子)が起用したのは見目麗しいだけの馬場敦(和田正人D-BOYS])ではなく、小説を愛する美濃部善男(皆川猿時)だった。