エラいところに嫁いでしまった第九話

テレビ朝日系。木曜ドラマ「エラいところに嫁いでしまった!」。第九話＝最終回。
原作：槇村君子「エラいところに嫁いでしまった!」（新潮社刊）。脚本：後藤法子。音楽：吉川慶＆高見優。主題歌：やなわらばー「拝啓○○さん」（パパイヤれこーど）。企画協力：東宝株式会社。プロデューサー：桑田潔（テレビ朝日）。演出：片山修。
町内の婦人会における山村君子（仲間由紀恵）演説の場には「ヌルイ」中にも微かに緊迫した空気が漲っていて、その程々の迫力が実によかった。それに先立ち山本志摩子（松坂慶子）が、実は己が君子にとって嫌な姑だったのではないのか？と気付かされて怒り、悔み、悲しみ、磯次郎（谷原章介）の下手な言い訳によってさらにその思いを深めていったあたりの展開にもまた「ヌルイ」中にも程々に悲劇的な情念が漲っていた。婦人会を取り仕切る谷村加代子（野際陽子［友情出演］）に挑発されて志摩子が意地になるところも、山本一族全員集合の賑やかな新年会の席で山本奈緒（渡辺夏菜）の背後に人体解剖模型も一緒にいていたのも、何れも程々に楽しかった。山本波男（本田博太郎）も微かに頼もしかった。この何事にも程々な感じというのが長閑な大家族を描く喜劇には相応しかった。