ヒミツの花園第十話

フジテレビ系。ドラマ「ヒミツの花園」。第十話。
脚本:永田優子。音楽:仲西匡。主題歌:安室奈美恵「Baby Don't Cry」(avex trax)。プロデュース:吉條英希(関西テレビ)&遠田孝一(MMJ)&伊藤達哉MMJ)。制作:関西テレビMMJ。演出:二宮浩行。
川村亮子(真矢みき)は、喫茶店で片岡智(要潤)の恋愛相談に乗っていたとき、彼の片想いの相手が実は月山夏世(釈由美子)であるとも知らないで自分のことだと思い込み、一人で勝手に興奮して恥ずかしがって走り去った。そして川村亮子は、近々見合をすることになった件について喫茶店で田中一郎(寺島進)に伝えたとき、自身の本当に好きな相手が田中一郎に他ならないことを田中一郎が未だ気付いてくれていないことに泣いて怒り、叫び、嘆きながら走り去った。笑うにしても泣くにしても走り去るときには席に忘れ物をしてしまうのが基本なのか。そして見合の当日。派手な振袖を着て淑やかな若い女子を装っていた川村亮子は、その現場に田中一郎が乱入し手を引いて連れ去ろうとするや殆ど抵抗することもなく進んで従い、追って来た見合の相手を田中一郎が殴って撃退したとき、「やめて!私のために争わないで」と泣きながらも嬉しそうだった。「月刊石仏」に移って案外とても楽しそうだ。
杉本みすず(松岡璃奈子)は不気味で恐ろしい。とはいえ杉本みすずの行動は極めて異常ではあるが、当人には理由があるようだ。愛する片岡航(堺雅人)から片岡陽(本郷奏多)を遠ざけ、云わば陽から航を奪い去るため、あのような卑劣な行動に出たのだろう。だが、その行動が航をも陽をも傷付けてしまい、結果、もはや奪い去るどころではなくなっていることを理解できていないようでもある。そうした愚かさこそが恐ろしい。
月山夏世と片岡修(池田鉄洋)が汁粉を食っていた店は二〇〇五年度「仮面ライダー響鬼」における甘味処「たちばな」ではなかったろうか。