演歌の女王最終回

日本テレビ系。土曜ドラマ演歌の女王」。最終幕(第十話)。
脚本:遊川和彦。音楽:池頼広。主題歌:平井堅「君の好きなとこ」(作詞&作曲:平井堅/編曲:亀田誠治デフスターレコーズ)。プロデューサー:大平太&太田雅晴(5年D組)。演出:大塚恭司。
五味貞子(成海璃子)は今まで「師匠」大河内ひまわり(天海祐希)の不幸の現場を見守り続けてきたが、師の不幸の中の幸福を見てはいなかった。確かに大河内ひまわりの日常は不幸な出来事に満ちてはいたが、そこには大河内ひまわりの存在によって救われていた人々もいたのだ。不幸どころか、実は幸福だったのではないのか。何故なら誰からも必要とされないこと以上に恐ろしい不幸はないからだ。貞子が師を心配して所縁の場所を訪ね歩く中で遭遇した意外の真相は、貞子を真に強くした。
それにしても、このドラマにおける携帯電話の役割は大きかった。大河内ひまわりの「不幸」は携帯電話を通して割り込んできたことが多かったし、今宵の最終話では救いの声の痕跡が携帯電話に蓄えられていた。番組提供者の一が携帯電話会社(NTTドコモ)だからというわけではないだろうが、ともかくも携帯電話の存在を抜きにしては殆ど成立しようもない物語だったことは興味深く思われた。