大河ドラマ風林火山第十三回

NHK大河ドラマ風林火山」。原作:井上靖。脚本:大森寿美男。音楽:千住明。主演:内野聖陽。演出:磯智明。第十三回「招かれざる男」。
山本勘助内野聖陽)は「死ぬか生きるか、まことの戦」を前にして興奮していた。あれを今日の人々は「テンションが高い」と評するだろう。鬼美濃こと原虎胤(宍戸開)を煽りまくり、巧みに罠にかけた。春日源五郎田中幸太朗)も勘助の雄弁な言動に夢中のようだった。翌日の湖上の決戦で勘助が波を立て水飛沫で原の目を眩ましたのには眼を瞠ったし、戦わぬことこそが最善の勝利の策であり「兵者詭道也」と演説したのは痛快だった。武田晴信市川亀治郎)や板垣信方千葉真一)は満足し、飯富虎昌(金田明夫)は感服し、武田信繁嘉島典俊)や諸角虎定(加藤武)、小山田信有(田辺誠一)は爆笑し、甘利虎泰竜雷太)は悔しがった。そしてその夜。冬の湖の水に濡れて風邪を引いたらしい原を、勘助は寓居に招き、囲炉裏の火で暖めながら謝罪していた。勘助の脇には春日源五郎もいた。その様子が面白かった。
ドラマのあと、次週予告に続く「風林火山紀行」で主題曲を演奏するのはフラメンコギターの沖仁。今週からだろうか。美しい演奏で、毎週の楽しみになりそうだ。次週の放送は夜八時からではなく七時十五分からだそうなので間違えないよう気をつけなければならない。