仮面ライダー電王第十話

テレビ朝日系。“スーパーヒーロータイム”「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:長石多可男。第十話「ハナに嵐の特異点」。
ハナ(白鳥百合子)もまた「特異点」だった。そして消滅した未来からの漂流者だった。いるべき時代もなく帰るべき場所もないにもかかわらず一人だけ消失を免れたのは「特異点」だったからだった。
空手選手だった本条勝(内野謙太)に憑依していた熊イマジン(声:てらそままさき)は、本条のライヴァルだった空手選手、菊池信司(矢崎広)と本条との友情を確かめ合わせたことで「契約」を完了し、自ら消滅しようとしたところを野上良太郎佐藤健)に拾われ、キンタロスとなった。その容姿は、デンライナー食堂車の店員ナオミ(秋山莉奈)が推測した通り、金太郎に基づいているのだろうが、その構想力は本条のものであって良太郎のものではない。良太郎に拾われても容姿や能力は変わらないようだ。気は優しくて力持ちのキンタロスの戦い方は、モモタロス(声:関俊彦)のように機敏ではなく、ウラタロス(声:遊佐浩二)のように洒落てもいないが、鈍重ながらも堂々悠然として強力だった。
デンライナーに新たな乗客として加わったキンタロス。オーナー(石丸謙二郎)は、新しい仲間を歓迎するため、全員にプリンを振る舞った。何時になく陽気で、踊るように軽やかに。プリンにはもちろん小さな旗を挿してあった。それを倒さないように食え!最後まで上手く倒さないで食えるのは誰かを競い合おう!というのだろう。これは「スポーツ」なのだ。スポーツマンNo.1決定戦なのだ。