ホタルノヒカリ最終話

日本テレビ系。水曜ドラマ「ホタルノヒカリ」。
原作:ひうらさとる。脚本:水橋文美江。音楽:菅野祐悟。制作協力:オフィスクレッシェンド。演出:吉野洋。第十話=最終回。
多分、これ以上の終わり方はなかったに相違ない。騒動から一年後の夏、雨宮蛍(綾瀬はるか)の云う「ビールの美味しい季節」に「アホ宮」のホタルが「ぶちょお(部長)」=高野誠一(藤木直人)の家の縁側に戻ってくるというのもドラマ全体の雰囲気に合っていた。
とはいえ手嶋マコト(加藤和樹)の気難しさには、同情できる面もないわけではないが、やはり違和感を禁じ得ない。彼は、雨宮から愛されることばかり期待し、己自身が雨宮を愛することを怠っていたのではないかと見えるからだ。飾り気のない雨宮を待望する前に、飾り気のない己を雨宮に見せる必要がありはしなかったか。実のところ吾々視聴者は彼がどのような人物であるのか、どのような私生活を送りたいのかを最後まで知ることができなかった。同居中の雨宮の眼前にさえ、それが示されなかったからだ。彼自身は雨宮に対し、ありのままの姿で寛いで欲しいと告げていたのだろうが、その意を態度によっても示すべきだったはずだ。手嶋も雨宮もともに互いに対して緊張していたのだとすれば、不幸なことだ。キレイでも狭いマンションで同棲していた間、両名とも居場所がなくて居心地が悪くて息苦しかったに相違ない。