ごくせん卒業スペシャル

日本テレビ系。ドラマ「ごくせん卒業スペシャル'09」。
原作:森本梢子「ごくせん」。脚本:江頭美智留横田理恵。音楽:大島ミチル。主題歌:Aqua Timez「虹」。プロデュース:加藤正俊。制作協力:日テレアックスオン。演出:佐藤東弥
赤銅学院3年D組で一番の美少年、原明大(真山明大)が不在だった。どうしたのだろうか。その理由がイケメンパラダイス系ドラマ「メイちゃんの執事」の都合ではないことは、他の執事の姿が見えたことから明白だ。松方広(矢崎広)は、昨年の春のドラマでは野球の服を着ているのを目印にしていたが、今宵のドラマでは野球帽までも着用していて、その所為だろうか逆に目立たなくなっていた。結果として風間廉役の三浦春馬と所属事務所を同じくする戸谷公人演じる高橋公人の姿が目に付き易かった。
本城健吾(石黒英雄)が父の跡を継いで豆腐屋を生業にすることを決意したのは一寸よい話だ。彼の父の本城保を演じた金田明夫と、神谷俊輔(三浦翔平)の母の神谷美沙子を演じた宮崎美子は先週まで放送されていた水曜ドラマ「キイナ 不可能犯罪捜査官」では夫妻を演じていた。赤銅学院理事長の赤城遼子(江波杏子)や教頭の猿渡五郎(生瀬勝久)には格好よい見せ場があった。特に理事長の存在感がこのドラマにおいて果たした役割は小さくないと云うべきだろう。
今宵のこの卒業篇で初めて登場し、今夏七月に公開される映画版「ごくせんTHE MOVIE」で主要な役割をつとめると予告されているのは赤銅学院2年D組の不良のリーダー高杉怜太(玉森裕太Kis-My-Ft2])。彼のような厄介な下級生がこれまで目立つことがなかったのは、少し前まで赤銅学院の生徒ではなかったから。ドラマ「ごくせん」における白金学院や黒銀学院や赤銅学院のライヴァル高校として馴染みの、あの「荒高」の生徒だったのだ。
これまで多くの不良や悪党を輩出してきた悪の巣窟のような「荒高」の卒業生の一人として、後輩にあたる高杉怜太をも悪の道に引き込もうとしていたのが間宮(斎藤工)。本年度「ごくせん」の特徴の一つとして、悪役として客演する俳優たちが赤銅学院3年D組の生徒役の俳優たちの大部分よりも明らかに格好よかったことが挙げられよう。例として松田悟志滝口幸広や山口龍人を挙げることができるが、まさか斎藤工(さいとうたくみ)までも出てくるとは思わなかった。あんなにも甘い顔なのに。