新番組=ヤマトナデシコ七変化第一話

今宵からの新番組。
TBS系。金曜ドラマヤマトナデシコ七変化」。第一話。
最も面白かったのは、オープニング主題歌(KAT-TUN「Love yourself 君が嫌いな君が好き」)に合わせて登場人物五名が踊っていたところ。
現今のテレヴィドラマでは所謂タイトルバックのために、ドラマ本編の出来栄えを遥かに凌ぐ水準の極めて凝った映像を拵えることが当たり前と化している感がある。しかるに、このドラマでは敢えてそれに逆行したと云うべきか、白い盛装の高野恭平(亀梨和也)と遠山雪之丞(手越祐也)と織田武長(内博貴)と森井蘭丸(宮尾俊太郎)が主題歌に合わせて軽やかに踊り、途中からは黒マントに全身を隠した中原スナコ(大政絢)も加わって一緒に踊るだけの映像だったのだ。でも、この安さが異様に楽しかった。
番組の合間の、番組を提供する各社の商品のCM集の中には、亀梨和也大政絢が劇中の高野恭平と中原スナコそのままに登場するロッテのガーナチョコレイトCMがあった。所謂コラボレイションCMか。こういうのは番組をも楽しく盛り上げる。手越祐也内博貴宮尾俊太郎にも、できれば昨年の金曜九時ドラマ「アンタッチャブル」におけるニッポンフード「鍋祭」みたいな変なコラボレイションCMをやって欲しいものだ。
劇中、遠山雪之丞と織田武長と森井蘭丸は詐欺師の暗躍するホストクラブに潜入するため女装をしていた。この女装の水準の高さは、昨年の夏の「オトメン」における幸花ジュエル(佐野和真)に比肩し得よう。なぜなら女装することによって逆に、手厚く女装してもなお隠し切れない男子ならではの美を露わにしたと云えるからだ。
戦闘の場において高野恭平が中原スナコを奮起させたところは、往年の人気ドラマ「噂の刑事トミーとマツ」を想起させた。トミーとしてのスナコと、松崎としての高野。
高野恭平が中原タケル(加藤清史郎)を黙らせるときのやり方は昨年の夏のドラマ「任侠ヘルパー」を想起させたが、後半で、中原タケルが高野恭平相手に同じことをやって反撃したのは面白かった。詐欺師ホストの役を内田朝陽が演じたことは、視聴者に「あんな悪いことをしていても本来は善人ではないのか?」と信じ込ませることによって、騙された女への共感を惹き起こすに効果あったと云うべきだろう。話の流れの上で所々妙に省略されていると云うか上手く流れていないように感じる箇所があったことについては敢えて指摘しないでおこう。ともかくもオープニング主題歌のダンス映像は見もの。