NHK教育ハーバード白熱教室

今宵、ホテルの宿泊室に戻ったのは夜八時の少し前で、当然「飛び出せ!科学くん」には間に合わず、また、「徹子の部屋」特別篇が放送されたため「ガリレオ脳研」の放送はなく、ゆえに特に見たいテレヴィ番組がなかった。しかるに深夜、不図NHK教育を見たら「ハーバード白熱教室」という番組の第四回「この土地は誰のもの?」を再放送していて、異様に面白かった。米国の名門ハーバード大学で政治哲学を教えるマイケル・サンデル教授が、ジョン・ロックの「自然権」思想を題材に、大勢の学生たちを相手に議論を仕掛けていた。ジョン・ロックなんて何の面白味もない退屈な思想家だと思っていたが、この「白熱教室」における白熱した議論を聴いていると、なるほど、退屈なまでに無難な彼の表現の中にはとんでもなく厄介な問題の数々が仕組まれていたのだと理解できた気がする。偉大な哲学書は、それを崇拝し又は反駁しようとするとき、秘めていた真の意味を明らかにするのだろう。