警部補矢部謙三第六話=最終回

テレビ朝日系。金曜ナイトドラマ警部補 矢部謙三」。第六話=最終回。
警視庁公安部の刑事、警部補=矢部謙三生瀬勝久)が、怠惰で無能でもあるにもかかわらず今まで数多くの難事件を鮮やかに解決できたことになってきたのは、単に幸運であるとか調子が良いとか部下の手柄を横取りするとかに因るだけではなく、所謂「神輿に乗せて担ぐ」には丁度よいような、一種の包容力と云うか人格の力のようなものがあるからであるに相違ない…と納得させた最終回。まさか、矢部刑事の冒険物語がこんなにも味わい深く結ばれることになるとは予想もしていなかった。実によかった。
もっと素晴らしく衝撃的に感動的だったのは、彼の初代の部下だった若き刑事、石原達也(前原一輝)の仮面を被っていた人物が、その石原達也(前原一輝)その人に他ならなかったこと。前回の「カムバック(期間限定)」という墨書は本当のことを云っていたのか。否、山田里見(野際陽子)の云う「文字の力」の賜物だろうか。今後も期間限定でもよいから二度三度と戻ってきて欲しい。池袋西警察署の桜井刑事でもよい。