素直になれなくて第七話

フジテレビ系。ドラマ「素直になれなくて」第七話。
このドラマにおいて唯一の常識人である美青年リンダ(玉山鉄二)が、このドラマにおいて最も男らしい精神の持ち主であると同時に、このドラマにおいて一番の可憐な乙女でもあることは誰の目にも明らかだろう。浮気で軽率な青年ナカジ(瑛太)への「叶わぬ恋」に胸を痛め苦しんでいる美青年リンダの表情は、このドラマにおいて唯一の美しい画であると云うべきだろう。それにしても、美しい彼の肉体を貪ろうとしてきた淫乱なセクハラ上司の北川悦吏子ならぬマリコ(渡辺えり)は先週に続いて今週も姿を見せなかったが、最近はリンダに迫って来てはいないのだろうか。
ピーチ(関めぐみ)はもともとはリンダの肉体を狙っていたものの、彼の肉体がどういうわけか己の肉体に反応しないらしいと知るや、今度はナカジに狙いを定め、ナカジを酒を飲ませて酔わせて判断力をなくさせたところで執拗に迫り、ついには貪ることに成功した。ナカジが天性の好色ドン・ジョヴァンニであることも有利に働いたろう。恐ろしい女だ。
だが、もっと考えさせるものがあるのはドクター(東方神起ジェジュン)。ハルこと水野月子(上野樹里)と一応は交際中ではあるものの、ハルの浮気な恋心に悩まされてもいる彼は、恋敵ナカジ等スナナレ会々員一同の前で「ハルとは寝た」という下品な嘘をついたのも甚だ問題があるが、もっと深刻なのは彼の家計のこと、家族のことだ。浮気なハルの機嫌を取るべく高級な料理店で夕食を御馳走し、頼り甲斐ある男子として己を見せかけることで早めに結婚を迫る足掛かりともするため、安月給で生計を立て妹をも養っているにもかかわらず彼は、家計を切り詰める余り、妹の学業にまで犠牲を強いているのだ。
ハルの弟、水野シュウ(中村優一)は、今回は家に届いたカニの山を見て軽く感動していた。数週間前には不健康な様子だったが、何時しか薬物中毒を脱して健全化し健康になったようだ。