ジュニアコロシアム胸キュン選手権

六月十一日の夕方六時からの五十分間、NHK衛星第二で放送された月二度の番組「ザ少年倶楽部」。今月の第二回。録画しておいたのを見たが、アイドル候補生がゲイムで競い合う企画「ジュニアコロシアム」が余りにも衝撃的に面白くてそこばかり何度も繰り返し見返してしまう程。全体についての感想文を後日に回すことにして今日は「ジュニアコロシアム」のみについて。
今回の「ジュニアコロシアム」は「胸キュン選手権」と題され、アイドルには不可欠の、観衆や視聴者を所謂「胸キュン」状態にさせる技を競い合う企画。競争の形式としてはトーナメント方式を採り、出場者を第一回戦の組み合わせで挙げると、藤ヶ谷太輔高地優吾中島健人と橋本良亮、玉森裕太と真田佑馬、伊郷アクンと菊池風磨。審査員は亀梨和也
第一回戦は「胸キュン・セリフ」と題され、所定の数種の台詞を籤引で選んで、仕草や表情とともに表現し、観衆や視聴者を「胸キュン」状態にさせる演技力を競い合い、第二回戦は「胸キュン・Real Face」と題され、KAT-TUNのデビュー曲「Real Face」における赤西仁のあの「舌打」を真似してその魅力を競い合った。
第一回戦における中島健人の「ああ、今夜は帰さないよ」の演技も何時になく大人びて素晴らしかったが、何といっても素晴らしかったのは第二回戦における彼のダンス。「大人になれる気がして」の辺からリズムに合わせて軽やかに体を動かし、問題の「舌打」場面の直前に急に鮮やかに一回転してみせた上、往年の赤西や亀梨に勝る真剣な顔で「舌打」をしてみせたあと、彼ならではの何時もの輝くアイドル笑顔をも見せた。
この直後、あたかも力が抜けたかのように、藤ヶ谷太輔の肩にもたれかかって顔を伏せていた亀梨が、判定の段、顔を上げて「中島君は凄いね、やりきるね」と評しておきながら敢えて「できない加減がキュンと来た」という理由で高地優吾に軍配を上げたのは、この余興の場の審査としては適切だったのかもしれない。なぜなら中島健人の「胸キュン」演技は、単なる余興の枠の中には収まりきらない水準を見せていたからだ。少年アイドルの表現、演技として云わば「シャレにならない」程に完成度が高過ぎる。