仮面ライダーW第四十三話

東映仮面ライダーW(ダブル)」。
第四十三話「Oの連鎖/老人探偵」。
脚本:長谷川圭一。監督:坂本浩一
昨年九月から始まって大いに楽しく盛り上がっていた「仮面ライダーW」は今年に入った頃からか何となく面白くなくなってきていて、それは照井竜(木ノ本嶺浩)と謎の女シュラウド(声:幸田直子)が登場したのに呼応するかのように左翔太郎(桐山漣)の存在感が希薄化したことに関係しているのではないかとも思われるが、実のところこの翔太郎の出番を照井竜が奪うこと自体がシュラウドの企みに他ならなかったことは四月十一日放送の第三十話において明らかにされていた。
シュラウドがフィリップ(菅田将暉)の真の相棒として翔太郎ではなく照井竜を想定しているだろうこともその時点で既に推察されたところだったが、今朝の話はその推察が正解だったことを証明した。
思うに、シュラウドは単なる登場人物ではなく、劇中にありながら当の劇を構想し具体化し展開して統制してきた云わば物語作者の分身という側面を持ち合わせてもいたようだ。翔太郎に対するシュラウドの憎しみはそのまま、制作者の愛情のなさの投影であるのかもしれない…とさえ思える。