今治桜井の綱敷天満宮

休日。昼二時頃に外出。JR松山駅から各駅停車の電車で約一時間半、今治伊予桜井駅へ。綱敷天満神社へ参詣。境内の絵馬堂に架けられている古い大絵馬を一通り眺め、撮影しておいたが、流石に江戸時代のものは風雨による劣化、剥落が進んでいて、絵も字も殆ど読めない現状だった。
境内を通り抜ければ直ぐ外には瀬戸内海。なるほど、平安京から大宰府へ赴任する途上の前右大臣、菅原道真伊予国の浜へ上陸した際、漁民が漁業に用いる綱を巻いて菅公のために敷物を作り、菅公がその上に座して休憩したと伝えられるが、それは実にこの辺のことだったのか。
今回の参詣では、大きな鳥居をくぐって社殿へ向かう途中、携えていたデジタルカメラが急に作動しなくなるという不可解な事件があった。色々操作をして数分後には漸く再び動き始め、以後は今のところ問題なく使用できているのだが、これは菅公からの戒めだったのかもしれない。菅公が亡くなられた際、葬儀の牛車を曳いていた牛が急に座り込んで動かなくなった…という故事は有名だが、それを想起しないではいられない。実は今日は主に絵馬を撮影するために綱敷天満宮を訪れたのだが、駅からそこへ行く過程で少々道に迷い、到着したときには日が暮れつつあったので、心の中で「今日は絵馬の撮影だけをして、参拝せずに帰ろう」と思っていたのだ。吾ながら善くないことだった。この不届きな考えが、天神から戒められたのかもしれない。ゆえに反省し、大いに拝礼し、祈願した。
伊予桜井駅へ戻る途上、JR乗車券売場を兼ねる菓子店(?)で各駅停車の松山行の片道の券を購入し、併せてチョコレイトパンも一つ購入して駅へ行けば、丁度、幸運にも、夕方五時四十六分発の松山行が間もなく到着しようとしていた。急ぎ乗車した。帰宅したのは夜八時頃だったろう。