旅行記一東京都立図書館

旅行記一。
朝それなりに早めに起きて荷物を整えて、十一時二十分頃に外出。松山空港に着いたのは出発予定時刻の十分前だったが、幸か不幸か、出発の時刻は予定よりも十分間も遅れて十二時十五分だった。東京国際空港で遅めの昼食を摂ったあと、空港から浜松町を経て御徒町へ。三時半頃にホテルへ入り、少し休憩したのち外出。
上野駅から日比谷線で広尾へ。有栖川公園にある東京都立中央図書館で古い史料を閲覧。現在、電力の節減のため東京都立図書館は夕方五時半で閉館することになっていて、史料の複写については四時半までに申し込まなければならないことになっているが、生憎、今日ここへ入館したのが四時半だったから史料の複写についてはそもそも諦めていた。ゆえに閲覧のみ。しかし極めて重要な事実を確認することを得た。江戸時代の伊予国出身の文人画家について、従来、所謂郷土史家の類が皆、その人物の名を載せる興味深い史料として言及するのを当然としてきた無名の版本に、実はその人物の名が記されていなかったという驚異の事実。
実のところ吾が私見では、史料の年代を考慮するなら、その版本にその人物の名が記されているということ自体が少々不自然ではないかと前々から疑問を抱いていたのだが、この吾が予感は的中してしまった。
ともあれ、これは重要な成果であるから、明後日にでも再び来館して史料を全て複写しておこう!と決意して、閉館時間に図書館を退出した。図書館の蔵書も素晴らしいが、職員も親切で快適だった。実に晴れやかな気分で公園内の景色や桜花、銅像を見物したのち、広尾駅から日比谷線上野駅へ移動。駅に近い食堂で夕食を摂ってからホテルへ帰った。