ドラマ生まれる。第三話

TBS系。金曜ドラマ「生まれる。」第三話。
林田家の次男の林田浩二(中島健人)は、かつて白血病で死ぬかもしれなかったところを母からの骨髄を移植して救われ、「第二の人生」を始めることができたことに感謝し、負い目を感じてもいて、ゆえに、五十一歳の母、林田愛子(田中美佐子)の高齢出産への決意に賛同した。林田家四兄弟の中で唯一の賛成者になった。家を継ぐよりも自身の夢を追求したいと考えていたはずの彼が敢えて自身の夢の挫折をも惹起しかねない決定に賛同したことになるわけではあるが、決して意外ではない。母への感謝と負い目が今の彼の基本だからだ。
彼に関してもう一つ興味深かったのは、彼の合コン仲間である山中裕也(福士蒼汰)が意外にも彼の白血病の再発の恐れについて心配する程にも親しかったという事実。そして山中裕也は、林田浩二が映画監督になりたいと夢見ていることをも知っていて、それを茶化そうともしていない。合コン仲間ではあるが、意外にも決して軽薄な交友ではないらしい。
林田家の長男の林田太一(大倉忠義)は、なぜ「実の父」からの恐喝に応じて借金まで抱えてしまったのか。何を恐れる必要があるのか。また、医師(大杉漣)は「中絶は殺人である」と主張したが、例えば強姦で子を身ごもった人に対しても同じことを主張できるのか。己の主張の含意を、もっと真剣に考えるべきではないだろうか。