ドラマ生まれる。第四話

TBS系。金曜ドラマ「生まれる。」第四話。
林田家の次男の林田浩二(中島健人)は、実家のパン店「パンテン」で働き始めた。亡き父が開いて、遺して、今は母の林田愛子(田中美佐子)が守ろうとしている店で。「アルバイト募集」に応募する形で、先ずは学生のアルバイトとして働き始めたが、建前はそうであっても彼自身の決意としては、店を継ぐこと、母に代わって店を守ることを視野に入れている。彼は、映画制作の現場で働きたいと志望しているが、それ以上に、母を助けたいと熱望している。だから、五十一歳で高齢出産を決意した母を応援するため、母が亡き夫の形見として大切にしている「パンテン」を守りたいと考えているのだ。
早速働き始めた林田浩二は、亡き父の弟子であり今は「パンテン」唯一人のパン職人である森脇哲多(大竹浩一)の下でパン作りの修業を始めた。なかなか呑み込みも早いのか上達が早いようだ。両名は師弟というよりは友のように仲よく仕事をしていて、店内は久し振りに明るく賑やかになった。
今宵のこのドラマでは数少ない希望の場面だった。
林田浩二の友人の山中裕也(福士蒼汰)は相変わらず彼の健康を心配していたが、やがて「パンテン」にも顔を出すことがあるだろうか。
この林田浩二の明るさに比べると、長男の林田太一(大倉忠義)をめぐる物語には、現時点において一つも明るい要素がなく、楽しめるものがないのが辛い。公私ともに希望がない。不要の不幸の早期解決を待望するのみ。林田太一が姉の林田愛美(堀北真希)の家に押しかけて、一緒に夕食を摂りながら語り合う場面が出てくるだけでも、ドラマが明るくなるはずだ。