渡る世間は鬼ばかり第十部第三十一話

TBS系。橋田寿賀子ドラマ「橋田壽賀子ドラマ渡る世間は鬼ばかり」。
最終部=第十部第三十一話。
小島眞(えなりかずき)が上司の長谷部力矢(丹羽貞仁)の妹である長谷部まひる(西原亜希)と恋人同然に仲よくしている現場を確認した森山壮太(長谷川純[ジャニーズJr.])は小島眞に、大井貴子(清水由紀)が先日このような様子を見てどう感じたことか、その気持ちも考えてみろ!と叫んで、小島眞の頬を叩いた。
森山壮太が去ったあと、小島眞は、自身と大井貴子との関係は自身と大井貴子との間だけの問題であって、森山壮太は全く関係ないはずであるのに、どうして彼が怒るのかを理解できない…と語った。
相変わらず小島眞は冷酷非情だ。関係ないはずがないではないか。なぜなら森山壮太は小島眞の代理人として大井貴子の父の介護を引き受けてきたのだからだ。もっとも森山壮太自身は何時しか大井貴子の父への介護それ自体に夢中になっているようだが、少なくとも小島眞は自身の代理人を森山壮太が引き受けてくれていると受け止めていたはずだ。小島眞は森山壮太を、自身の母の実家である岡倉家の、単なる使用人としか見ていないのではないのか?と疑われよう。
この事件を目撃した長谷部まひるは、森山壮太は大井貴子に恋心を抱いているに相違ない!との憶見を述べた。尤もらしいが、憶見でしかない。なにしろ長谷部まひるは詳しい事情を何も知らないからだ。むしろこの憶見が物語るのは、長谷部まひる自身が、小島眞から大井貴子を遠ざけたいと考えているのではないかということだ。