斎藤工と福士誠治

世間は土曜から三連休だったはずだが、吾は一日遅れて日曜からの三連休で、今日がその三日目。昨日まで二日間は殆ど外出することなく無為に過ごしたが、今日は台風の影響で曇天で、風こそ強いものの陽射はなく大して暑くはなかったので夕方から少し外出。衣山の家具店へ行き、懸案の買物を漸く済ませた。
昼一時半、不図テレヴィを見れば斎藤工が出ていたので慌てて録画を始めた。番組は日本テレビ系「ヒルナンデス」。出演者の一人、いとうあさこが斎藤工の上半身のヌード写真二種を拡大したパネル二枚を掲げて、興奮してみせていた。いとうあさこは、この種の役割を担って下品にならない。斎藤工は俳優として活動を始めてから九年間、一貫して「期待の新人」として説明され続けていることを少々悩んでいると語っていた。NHKで仕事をすることが多いので職員食堂を利用する機会が職員以上に多く、全ての料理を食べ尽くして、今や品書を見ただけで味を思い出せる程であるとか。
最も凄かったのは、「恋人」として福士誠治の名が挙げられたこと。「恋人は福士誠治」という字幕も出ていた。もちろん斎藤工自身が福士誠治を恋人であると云ったわけではなく、番組側が話を面白くするためにそのような取り上げ方をしたようだが、それでも一応、根拠がないわけではないらしい。
両名の交際は意外に古く、かつて「携帯電話の初期設定のデータを入れ続ける」単純労働を行う工場で同時期にアルバイトをしていた。その後、それぞれ芸能界に入り、やがてNHKの時代劇で共演した際に、現場で再会を果たした。斎藤工は久し振りの再会を喜んだが、福士誠治はアルバイト時代の斎藤工を記憶していなかった。ともあれ、再び同じ現場で働くようになり、いよいよ親しく交際するようになった。それで居酒屋へ一緒に行けば、福士誠治は斎藤工が何を望んでいるかを的確に予測して注文してくれるとか。酒を飲めない斎藤工のため、ジンジャーエールやトマトジュース等、ノンアルコール飲料の各種を丁度よい頃合に的確に選択して飽きさせないように気を付け、腹の弱さを踏まえて氷を入れないように注文してくれるのはもちろん、冷たい飲み物のあとには温かい御茶を注文するような配慮も欠かさない。斎藤工の好みを知り尽くし、望みを読み抜いて常に的確に配慮してくれる福士誠治と、それを喜び感謝する斎藤工との関係は、もし異性同士だったなら、最良の恋人同士にもなり得たのではないか？と語り合うことがあるらしい。
そのような意味で斎藤工の「恋人は福士誠治」。最初にこの話題を出したとき番組の司会者をはじめ出演者は「そっち？」と驚いていたが、斎藤工は映画やテレヴィドラマではそのような役を演じる機会が多く、よく「そっち系」と疑われることも述べていた。