仮面ライダーフォーゼ第二十三話

仮面ライダー生誕40周年記念作品「仮面ライダーフォーゼ」。
第二十三話「白・鳥・同・盟」。
今回登場した敵は、正義の味方であるかのように振る舞って、孤高の「ヒーロー」を僭称する白鳥の湖のゾディアーツ。「キッグナス」を名乗る。キッグナスは天ノ川学園高等学校の生徒たちの間に熱烈な支持者を生み、奇妙なファンクラブ組織がある。「醜いアヒルの子の会」と名付けられ、新興宗教の観をさえ呈するその集団を制圧するのは鳥居崎ミサ(浅野かや)。バレエをよくし、「白鳥の湖」を信者の前で舞うが、信者に対してはキッグナスを称えるための、もっと変な踊りを強いる。
しかるに「醜いアヒルの子の会」の集会に潜入した如月弦太朗(福士蒼汰)と城島ユウキ(清水富美加)はその踊りを楽しんで、没頭してしまっていた。
他方、この新興宗教のような集団の奇妙な儀式に最も強く違和感を表したのは野座間友子(志保)だった。かつて魔法少女に憧れて不気味な黒魔術の儀式にさえ参加していた野座間友子がこの団体の儀式に違和感を抱くのは、当人の語るところによれば、少し前の自身の、魔法少女から魔女へ変えられそうになった忌まわしい事件を想起させるからに他ならないが、憶測するに、似て非なる相手への嫌悪感という面もあるかもしれない。異端の世界に沈潜した経験があるからこそ、中途半端な新興宗教の欺瞞性に敏感にならざるを得ないのではないだろうか。
野座間友子に関して注目すべき点は、朔田流星(吉沢亮)が意外に強いという事実を知ったことと、メテオが意外にフォーゼと同じく「甘い」ということ、換言すれば優しいということを知ったこと。勘の鋭い野座間友子がこの二つの事実を結び付けるのは自然なことではないかと予測できよう。
それにしても、前半の、落語家ゾディアーツ=鬼島夏児(タモト清嵐)とフォーゼとの戦闘にキッグナスが乱入した場面や、後半の、キッグナスとメテオとの死闘にフォーゼが参入した場面を見ると、最も格好よくない姿形をしているのがフォーゼであるという事実をあらためて思い知らされる。何故こんなことになっているのか。
キッグナスの信者を集める「醜いアヒルの子の会」の拠点はどうやら風都市内にあるようで、少し前まではその建物の中に鳴海探偵事務所があり、左翔太郎(桐山漣)とフィリップ=園咲來人(菅田将暉)が住んでいた。どこかへ移転したのだろうか。