弱くても勝てます第二話

土曜ドラマ「弱くても勝てます」第二話。
今回の話の中心人物の一人は、小田原城徳高等学校野球部の中で唯一、甲子園大会にも通用する実力を持っているらしい白尾剛(中島裕翔)。彼は中学生のときから樽見柚子(有村架純)に片想いをしていた。野球の強豪校である堂東学院高等学校の野球部にスカウトされていたにもかかわらず、敢えて弱小校である小田原城徳高等学校へ進学したのも、樽見柚子と同じ学校へ通いたいからだった。しかるに樽見柚子は頼りない投手の赤岩公康(福士蒼汰)に片想いをしていて、赤岩公康自身はそのことに全く気付いていないが、白尾剛はそのことに気付いている。しかるに白尾剛は赤岩公康を、部員中で唯一信頼できる人物と認めていると見受ける。
もう一人の中心人物は、小田原城徳高等学校野球部キャプテンの江波戸光輝(山崎賢人)。中学生のときから岡留圭(間宮祥太朗)に苛められていたらしい。
複数の問題の交錯する中、打開策として小田原城徳高等学校野球部の新監督の田茂青志(二宮和也)が主に主張したのは、青少年の自己主張は「俺は」ではなく「俺が」であるべし!ということだった。なるほど「俺は」と「俺が」では大いに意味が異なり得るが、この一流大学への高い進学率を誇る名門高等学校の人々がその違いを解しなかったのは実に不可解でさえある。とはいえ、「俺は」と「俺が」の違いの問題が、野球の実践を通して各人の内に(かなり強引ではあったが)定義付けられ、「キャプテン」の自信をも生じて問題の解決へ繋がったのは面白い展開だった。
しかし野球のドラマ、スポーツの物語を期待していた人々には、全く楽しめないのではないかと恐れる。これはむしろ頓智話の類ではないだろうか。