きょうは会社休みます第四話

水曜ドラマ「きょうは会社休みます。」第四話。
今回の話は主に、青石花笑(綾瀬はるか)の家族、特にその父、青石巌(浅野和之)の物語だった。幼時から厳格に大切に育ててきて、三十年間、色恋の一つもなかった愛娘の、漸く家に連れて来た恋人が九歳も下の大学生であるという事実に父がどのように反応し、どのようにそれを受け止めてゆくのかをじっくり描いた。
父が見せた葛藤に比して母の青石光代(高畑淳子)は直ぐに田之倉悠斗(福士蒼汰)を受け入れ、むしろ直ぐに歓迎していたが、多分、父と母との間には実はそんなに大きな差があったわけでもないように見える。母は田之倉悠斗の若さ、年齢には驚いていたが、その行儀よく誠実な様子を直ぐに認めていたし、何よりも愛娘を信頼してその選択を大切にしたと見ることができる。父も本当は同じだったはずだが、全てを受け容れる心の準備のためには少々時間を要したということだろう。彼が田之倉悠斗に引き取り願ったのは、田之倉悠斗を拒否したわけでもなければ見たくなかったわけでもなく、受け容れるための猶予をもらいたかっただけではないだろうか。
こうして大きな関門を通過した青石花笑と田之倉悠斗の愛の深まりが、今日の話の最後には存分に描かれたが、次週の予告はそれが早くも破綻したかのように見せかけていて、視聴者を再び焦らせる。
他方、青石花笑に対する朝尾侑(玉木宏)の想いは、彼に想いを寄せる大川瞳(仲里依紗)との会話を通じて明かされた。朝尾侑は、恋には不慣れな青石花笑が純粋に恋をしている姿に心惹かれていた。だから恋敵の田之倉悠斗を牽制したり、青石花笑を変な方向へ煽ったりしながらも、どうしても青石花笑の恋を応援しないではいられないでいたのだ。なるほど、今までの言動には一貫性があったと改めて了解される。
そんな朝尾侑は、親会社を買収された影響でサフィラストレーディングCEOを解任された。このことが何を生じるのかは次週を待たなければならない。
勝浦大知(渡辺邦斗)がこの動きを逸早く察知して情報を提供してきたとき、大城壮(田口淳之介)はそのことが取引先である自社に大損害を与えるに相違ないことを直ぐに理解して事実関係を確かめようとしていた。サフィラストレーディングとの交渉の場でも、自社の立場を確り主張していて、大城壮の有能振りは今回ますます明らかになった。意外なところでは、加々見龍生(千葉雄大)も、他の誰も目を着けないところに敢えて着目して成果を上げる快挙をなし遂げた。しかるにこの快挙も朝尾侑のCEO解任によって却って大損害に転じるとすれば皮肉であるとしか云いようがない。