仮面ライダードライブ第十六話

平成「仮面ライダー」第十六作「仮面ライダードライブ」。
第十六話「沢神りんはなぜソワソワしていたのか」。
仮面ライダードライブに変身する警視庁特状課巡査、泊進ノ介(竹内涼真)は、同僚の詩島霧子(内田理央)との間に、仕事における「相棒」という関係を超えた相思相愛に近い関係を築きつつあるかに見えていたが、ロイミュードの死神と呼ばれるチェイス上遠野太洸)の前身がプロトドライブであり、グローバルフリーズの夜に詩島霧子を救出した「騎士」に他ならないと判明して以降、この関係は早くも放置されようとしていた。そして今回、いよいよ詩島霧子が最も恋し求めている相手は人間体のチェイスであると確定した模様。幻影の中に思い描かれたチェイスは、まるで俳優の上遠野太洸のような青年だった。
ロイミュード幹部連に生じた不協和が、今や修復し難い水準になってきている。それを露呈した発端は首領のハート(蕨野友也)と参謀役のブレン(松島庄汰)との間の意見の対立にあったが、もともと両名には個性や志向の際立った対比があり、対比を踏まえた協調こそが今までの体制と戦略の推進力だったろう。チェイスは両名の間にあって、ハートを慕いながらもブレンに従ってきた。しかるに、メディック(馬場ふみか)が復活した結果、このような関係は崩れつつある。チェイスがハートに賛同し、メディックがブレンを嘲笑することで、ブレンを徒に孤立に追い込んでいる。
チェイスがハートの意見になびくのはもともとハートの思考に近いからであると見ることもできるが、案外、メディックがチェイスの記憶を改竄する際に何か余計な操作をも加えた結果であるのかもしれない。そう考えると、さらに意外にも、実はハートも、メディックの治療を受ける際に何か余計な操作を受けたのではなかったかと推測できないわけではない。