コマさんの鋭さ/我慢するケータと興奮するケータ

ニコニコ動画の「テレビ東京あにてれちゃんねる」(http://ch.nicovideo.jp/ch7)内の「妖怪ウォッチ」チャンネル(http://ch.nicovideo.jp/youkai-watch)で最新の第六十一話の配信あり。
コマさん&コマじろう兄弟で結成された「コマさん探検隊」は、灼熱の砂漠にある米軍の秘密基地に出没すると云われる宇宙人を探索。そのための行先は国内の「とりもち砂丘」。砂丘の直ぐ脇に舗装道路が伸びていて朝にはジョギングをする人がいるような場所。今回の探検で明らかになったのは、コマさんが、仕掛け人の矢良瀬古里無が仕掛けているヤラセをヤラセと見抜くための諸点を悉く発見した上で、それでもなおヤラセとは思いも寄らず、どこまでも矢良瀬古里無を信じていたということ。思えば、コマさんが真相に気付かず騙され続けていることを確と認識している弟のコマじろうが、それでもなお決して兄を軽んじることなく、むしろ兄を尊敬し続けているのも、これに近いのかもしれない。コマさんとコマじろうは意外にも似ていると云えなくもない。
妖怪ガマンモスの話では、ケータが己の欲望のために妖怪の力を借りようとして生じた事件である点で極めて新しい。従来、ケータが妖怪の力を借りて来たのは、事件を解決するために、事件の原因である妖怪を退治するための手段としてだった。今回は、桜ニュータウンの地域の放送会社「桜テレビ」の人気テレヴィ番組「我慢でGO」に出場して優勝するため。しかも、そもそも勝ち抜いてゆける自信があったわけでもなく、最初から妖怪の力を借りようと考えていた模様。どの妖怪のどの力を借りるのがよいのか見当をつけていたわけでさえもなく、妖怪執事ウィスパーに相談して誰か適当な妖怪を紹介してもらおうと見込んでいた。ジバニャンが妖怪合コンでガマンモスと知り合っていなかったなら、そしてガマンモスを呼びつける手段を持ち合わせていなかったなら、何の解決策も得られなかったことだろう。
この話で明らかになったのは、ガマンモスの前身がモレゾウであることと、モレゾウの集団は皆、第十五話と第三十一話、第三十五話、第三十九話に登場した謎の老人、ガマンガタロウの門人であり、この老人を「老師」と呼んで崇拝しているということ。
妖怪TETSUYAの事件では、徹夜したいケータが眠気に耐えるべく早速ガマンモスを召喚した。妖怪メダルを獲得した直後の妖怪をこんなにも早く召喚するのは久し振りではないだろうか。
それにしても、このところのケータは、何でも舐めまわしたくなったり、強引に仕切られて虐げられる快楽に溺れてしまったりして奇抜な顔を見せ続けて来たが、今回も、熱さや冷たさに我慢し切れなくなって悲鳴を上げたり、眠れなくなって興奮したりして、視聴者に新たな魅力を見せ続けている。