福士蒼汰ドラマ恋仲第五話

福士蒼汰主演テレヴィドラマ。月九「恋仲」。第五話。
悪役、蒼井翔太野村周平)の悪行は先週までの時点では大きく二つ。第一には、芹沢あかり(本田翼)が三浦葵福士蒼汰)に充てた手紙を横取りして、三浦葵の手に渡らないようにしたこと。そうして三浦葵と芹沢あかりの再会の機会も連絡の手段も奪った上で、己が芹沢あかりに接近したこと。これをワンピース事件と名付けておく。第二に、芹沢あかりが再会したいと願っていた実父、芹沢寛利(小林薫)のことを、発見した三浦葵から信頼されて託されていたにもかかわらず、芹沢あかり本人には一言も告げず、芹沢寛利に現金を渡して、芹沢あかりの前から消えるように告げていたこと。これを芹沢父事件と名付けておく。
芹沢あかりはワンピース事件で蒼井翔太に不信感を抱いていたところに芹沢父事件を突き付けられ、他にも色々蒼井翔太に憤るところもあったことで、いよいよ本来の恋情の相手だった三浦葵を想うようになった。三浦葵の側も、元来が芹沢あかりと別れたつもりもなく、単に再会の機会も連絡の手段もなかっただけであるから、芹沢父事件を知って蒼井翔太への不信感を抱き始め、しかも芹沢あかりと蒼井翔太の関係も怪しくなってきた中で、芹沢あかりへの想いを再燃させるのは自然だったと云える。
しかるに、今週の話では蒼井翔太復権が中途半端な形で図られ始めた。芹沢寛利がとんでもない奴だったと判明したことで、芹沢あかりも三浦葵も、芹沢父事件に関しては蒼井翔太を許さざるを得なくなってきている。だが、普通に考えて、それだけで蒼井翔太復権するのは理不尽だろう。なぜなら芹沢あかりにとって真に許し難いのはむしろワンピース事件の方であるから。三浦葵も、ワンピース事件の真相を知れば蒼井翔太に憤るに相違ない。
厄介であるのは、三名の共通の旧友である金沢公平(太賀)が、蒼井翔太から芹沢父事件の真相だけを知らされて、それで蒼井翔太を理解した気になっていること。ワンピース事件については何も知らないまま、全貌を理解したかのように思い込んで、今後は芹沢あかりと三浦葵の関係にも大いに介入してくるのかもしれない。実に余計なことだ。金沢公平が親切心から他人の事情に介入するような奴であることを知った上で、蒼井翔太は彼に対して事実関係の一部のみを明かし、最も重要な部分を隠したのだろうか。そうであるなら、このこともまた蒼井翔太の新たな悪行として数えられなければならない。