福士蒼汰ドラマ恋仲第九話=最終回

福士蒼汰主演テレヴィドラマ。月九「恋仲」。第九話=最終回。
末尾に生放送あり、十五分延長の拡大版。
とはいえ前回までの時点で物語の結末は見えていた。もっと前の時点でも既に予想できていた。むしろ先週の第八話で物語を結ばなかったことに驚かざるを得ない程。一部の愚かな報道機関は、月九ドラマでありながら僅か九話で終わるというのは低視聴率を受けた打ち切りに相違ないとか報じていたが、これはテレヴィドラマの中身を全く見てもいない連中による無根拠な戯言にしかなっていない。むしろ九話まで延々引き延ばしてきたことをこそ問題にした方が有意義ではなかったろうか。
それにしても、あまりにも当然の結末、自然な終結だったので、果たして世間はどのように反応しているのだろうか?と興味を抱き、インターネット上の意見を眺望して見るに、少々意外な論議が一部に生じていた。
今宵の話の最後の、生放送の部分、二つ目の花火大会の場面で主人公の三浦葵福士蒼汰)が芹沢あかり(本田翼)に対して発した言が不可解であり、これは生放送だった所為で修正できなかった「NG」ではないのか?との憶測が出ているのだ。
根拠とされているのは三浦葵の「最後にあかりと一緒に花火見たかったから」という台詞。これでは結婚の直後にあたかも別れようとしているかのようではないかとか論じられている。この台詞を正当化するための解釈として、この花火大会の場面は実は両名の結婚式の場面よりも本当は前に来るべきだったのではないのかという甚だ奇妙な説が提起され、その根拠として「式前にもう一度花火を見せたくて」という台詞もあったはずであるとかいう不可解な説までも出ている始末。
しかるに議論が不正確な引用に基づいているのは宜しくない。あの場面における三浦葵の台詞を正確に引用するなら、「夏が終わる前にさ、もう一度花火見せたくてさ。よく見える場所探したんだよね。最後にあかりと一緒に花火見たかったから。」ということだろう。
素直に解釈するなら、富山の花火大会における告白の直後に、極めて慌ただしく結婚式が挙行され、まもなく夏が終わろうとする時期に、東京における今夏最後の花火大会があり、三浦葵は芹沢あかりをそこへ連れて行ったに相違ない。全ては信じ難い程に短期間に進んだと考えられる。あり得ないと云われるか知らないが、そもそも「あり得ない」ことを連発してきたドラマである事実を忘れてはならない。
三浦葵が「最後に」と云ったのは、今年の夏の「最後に」ということだったろう。直前の台詞で「夏が終わる前にさ、もう一度」と云ったのを短縮して「最後に」と云ったに過ぎない。台本に書かれていた台詞と同じではなかったかどうか知らないが、意味は通じているし、何よりも、台詞を云い間違えて芝居が滅茶苦茶になるという事態も全くなかったのであるから、これを「NG」と云うのは正しくない。