仮面ライダーゴースト第四十話

平成仮面ライダー第十七作「仮面ライダーゴースト」。
第四十話「勇気!悲壮な決断!」。
刑事の夏目真一郎(井田國彦)と、その同僚であると同時に犯罪人でもある篠崎良介(筒井巧)は断崖絶壁の上で対峙し、夏目真由(水谷里穂)を伴った天空寺タケル(西銘駿)や月村アカリ(大沢ひかる)、深海マコト(山本涼介)、アラン(磯村勇斗)等の一行もそこへ駆け付けた。真犯人を追い詰めて謎を解く場は崖の縁でなければならないのかもしれないが、あまりにも唐突ではあった。
しかも夏目真由は、自身の父が真犯人ではなく父の親友こそが真犯人だった事実を知ったとき、「親友を逮捕して嬉しいの?」と叫んだが、その親友が父を犯人に仕立てようとしていた事実をどう考えているのか。咄嗟の出来心の類に因るのではなく、極めて用意周到な計画に因って己の罪をそのまま全て夏目真一郎に着せようとしていたわけで、もはや親友でも何でもないと云わざるを得ない真相だった。「嬉しい」か否かの問題ではないのは幼児でも解るに相違ない。
深海マコトと深海カノン(工藤美桜)は自分たちの父がどこにいるのかを知らないが、仙人(竹中直人)は深海ダイゴ(沢村一樹)について「死ぬには惜しい男だった」と呟いた。
天空寺タケルの戦闘力に関しては、先頃、ムゲン眼魂の能力に対して十五の英雄眼魂が皆で劣等感を抱くという問題が生じ、一応は解決を見たはずだったが、その後の展開は解決を微妙に台無しにした感があった。今回、十五の英雄眼魂は天空寺タケルに声をかけて使ってもらって一応の見せ場を与えられた上で、「あとは任せた」と告げてムゲンを使用させる形を取った。なるほど、こうすれば英雄眼魂の顔も立つ…と云えるのかもしれないが、結局、これは十五の英雄眼魂が劣等感を受け容れて開き直っただけであるとも云える。これで本当に良いのだろうか。