旅行記/福井県立美術館岩佐又兵衛展

未明の二時頃に起きて支度をして出立。六時頃にJR松山駅を発って昼十二時頃に福井駅へ到着。ホテルへ荷物を預けて、福井県立美術館へ。今月二十八日まで開催されている「福井移住400年記念 岩佐又兵衛展」を鑑賞。併せて、本日一時から開催された記念座談会も聴講したが、大変な大盛況だった。岩佐又兵衛荒木村重の子ではなく村重の子の村次の子、村直であるという説。岩佐又兵衛を「奇想」のみで見るのではなく、大和絵の伝統の中で見るべしという説。古浄瑠璃絵巻群に出てくる手紙や書物には当時の流行歌の詞が確り書き込まれているという解説にも驚かされた。もちろん展示室内も大盛況。徳川美術館蔵「豊国祭礼図屏風」と東京国立博物館蔵「洛中洛外図屏風(舟木本)」を二つ並んだ状態で鑑賞できるのは昨日と今日の二日間だけであるから、この大混雑は無理もない。金谷屏風の内、「野々宮図」は来週以降、「官女観菊図」は会期最後の二日間しか登場しないので今日はなかったが、他の八幅が勢揃い。堀江物語絵巻、小栗判官絵巻、山中常盤物語絵巻、上瑠璃物語絵巻が一室に集められているのも壮観だった。閉館時間の夕方五時に美術館を出て、駅まで歩いた。途上、街の様々な場所に夏祭の屋台が並び、野外コンサートの類も行われていた。