ハイ☆スピード!メドレーリレーの原画と作画監督とクリエイターズメッセージブックの絵

映画「ハイ☆スピード!」には魅力ある場面が色々あり、最も美しく情感に満ちているのは無論あの夜の岩鳶スイミングクラブにおける七瀬遙と橘真琴の遊泳の場面だが、力強い躍動と速度(まさしく「ハイ・スピード!」)と全体の一体感によって観る者を圧倒するのは、最後の、橘真琴と桐嶋郁弥と椎名旭と七瀬遙の見事なメドレーリレーの場面に他ならない。
あの場面の原画を手がけたのは多田文雄で、作画監督をつとめたのは門脇未来。「ハイ☆スピード!」のブルーレイディスク&DVDに収録されているオーディオコメンタリーの中で、総作画監督の西屋太志は、水泳の場面を丸ごと描き切った「多田文雄先生」の原画を「美し過ぎます」と絶賛し、門脇未来の絵についても殆ど手を入れる必要がなかったことを述べている。監督の武本康弘によれば西屋太志は門脇未来の絵を高く評価しているらしい。
そこで四日前に入手した『映画ハイ☆スピード!Free! Starting Days― クリエイターズメッセージブック』を見てみれば、多田文雄は竜ヶ崎怜を描き(51頁)、門脇未来は七瀬遙と橘真琴の間に葉月渚を描いている(21頁)。
西屋太志から「先生」と呼ばれる多田文雄について検索してみれば、なるほど、現在は京都アニメーションの取締役だが、昔はシンエイ動画で活躍し、名作「のび太の恐竜」や「のび太の海底奇岩城」、「のび太の宇宙小戦争」、「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」等の動画や原画を手がけていたらしい。