仮面ライダーゴースト第四十八話

平成仮面ライダー第十七作「仮面ライダーゴースト」。
第四十八話「集結!悲しみの連鎖!」。
最終回を目前に、物語は急展開。
魔界の新帝アデル(真山明大)を討つべく眼魔界へ戻ったアラン(磯村勇斗)を助けるべく、天空寺タケル(西銘駿)は眼魔界へ向かい、深海マコト(山本涼介)のみならず御成(柳喬之)も月村アカリ(大沢ひかる)も深海カノン(工藤美桜)も随った。留守番はシブヤ(溝口琢矢)とナリタ(勧修寺玲旺)のみ。しかし御成や月村アカリや深海カノンが随ったところで足手まといになるだけではないか?と思えば、意外なことに眼魔の集団を相手にそれなりに戦い得ていた。あんな戦闘力をいつのまに身に着けていたのか。これこそが一番の急展開だったろう。
アデルによって心身を占拠され制御されていた眼魔世界長官イゴール山本浩司)は、月村アカリに顔を叩かれて正気に返った。これを御成は愛の力の賜物であると解し、イゴールはそこで月村アカリに対する己の愛を自覚し、眼魔による攻撃から月村アカリを庇って倒れ、消滅した。こんなにも簡単に改心する奴だったとは意外なことで、これもまた急展開だったと云える。
必然性があったのは深海マコトの甦生。人間界から眼魔界へ一行が向かった時点では天空寺タケルに随っていたのは偽者の深海マコトだったが、皆が入り乱れて戦った際に本物がそこへ合流し、ついには偽者と本物が一緒に戦う格好になっていた。そしてそのあとアデルとアランと天空寺タケルが戦っていた場に割り込み、天空寺タケルを庇って倒れたのは本物の方だった。本物は偽者が本物になり代わって本物になることを願ったが、偽者は本物に一体化して自身を消去し、代わりに本物を復活させた。これは納得の展開。
天空寺タケルの力は、アデルに過去の家族の思い出を甦らせたのと同時に、アデルに心身を占拠されていたアリア(かでなれおん)を解放した。アリアはアデルの記憶に介入して亡き先帝アドニス(勝野洋)の本当の思いを漸く教え得て、結果、アデルは改心し得た。しかるに改心し得たアデルが無用と化したガンマイザーを破壊しようとしたことは、却ってガンマイザーの解放を惹き起こした。アデルという「ヒト」から捨てられることで解放され、独立した意志を獲得した上でグレートアイを占拠することこそはガンマイザーの狙いであり、ここで改めてアデルの身体を占拠し、勝手に動き始めようとした。今までアランのためにアデルを助けたいと考えてきた天空寺タケルは、今、アデルを解放するためにアデルを倒さなければならなくなった。アデルが望んだ通り、天空寺タケルはアデルの身体を殺すことでガンマイザー軍団を倒し、同時にアデルを完全に消した。なるほど、これも納得ゆく展開だろう。
問題は、深海マコトが落としたディープスペクター眼魂の中にガンマイザーが残っていたこと。戦闘の場から遠ざかった位置で安全に残存した上で、アデルから完全に解放された結果、誰にも邪魔されることなく余裕でグレートアイの占有に成功した。一応その場には元眼魔世界長官の仙人=イーディス(竹中直人)が居合わせていたが、止めることができなかった。しかし、もともとグレートアイの護衛のためにガンマイザーを発明したのはイーディスであり、ディープスペクター眼魂を開発したのもイーディスであるから、最後に生じた酷い展開の原因は全てイーディスにあると云うも過言ではない。