テレヴィアニメ怪盗ジョーカー第四十話の原作

二日前から始まったテレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」第四期。
その第一話をなした第四十話「輝く夜と彼方からの使者」の原作は、てんとう虫コロコロコミックス「怪盗ジョーカー」第三巻に収録されている「電脳要塞の数式」。読み直してみたが、一見、同じ話であるとは思えない程に印象が違っている。
これに登場する敵はミスター・ヘルという人物で、ドクター・ネオに比較するに、外見は不気味ではあるが、存在感は意外に薄い。ドクター・ネオのような頭髪の問題を抱えていないからであるというよりは、むしろこの話におけるジョーカーの敵が、ジョーカーと同じくミスター・ヘルに立ち向かう怪盗、サイバー・モンキーであるからだろう。フェニックスはジョーカーの競合相手ではあるが、既に半ば仲間でもあり、競合するのみのサイバー・モンキーとは少々立場が違う。実際、フェニックスはジョーカーが仕掛けた奇跡の大逆転において重要な役割を果たしていて、ジョーカーの作戦を傍観するしかなかったサイバー・モンキーとは違う。
原作も面白いし、サイバー・モンキーがテレヴィアニメに登場しないのは少々惜しいが、ジョーカーとホッシーの物語、ジョーカーとフェニックスの物語として構成されるに相違ない第四期の第一話にそれが変換された巧さにも驚嘆するしかない。これを先行上映祭で鑑賞できていたら、さらに面白かったことだろう。