新番組=仮面ライダーエグゼイド第一話

平成仮面ライダー第十八作「仮面ライダーエグゼイド」。
第一話「I'm a 仮面ライダー」。
先の日曜日に始まった新番組。主な舞台は謎の病院。聖都大学附属病院。主人公はそこの研修医である宝生永夢(飯島寛騎)。携帯型ゲームをよくし、「天才ゲーマー絵夢」を自称する。
医師であると同時にゲームの名手でもあるという設定は一見して奇妙だが、「ウィルス」という語の二義性によって了解される。なぜなら医師である彼は患者の体内のウィルスを退治したいと考えるが、そのための方法として、ゲームの名手である彼は、ゲーム機から発して患者の身体を乗っ取るコンピュータ・ウィルスに対抗し、ゲーム内の勇者に変身するから。
児童アニメの原作がゲームであることが多いばかりか、児童漫画の原作がゲームであることも多い(ゲームを原作としないにもかかわらずアニメ化されるまでに成長した児童漫画の人気作といえば今や「怪盗ジョーカー」しかないと云われる)現在、伝統ある「仮面ライダー」までもが物語の構造と戦闘の方式をゲームに求めたのも意外な話ではない。しかしゲームやアニメでは自然であり得る動作を、実写でやれば不自然になりかねないという問題は、容易には解決しそうにない。
今回の題は「I'm a 仮面ライダー」で、次回の題が「天才二人はno thank you?」であるから、毎回どこかに英語を入れるのだろう。政府による英語公用語化の方針に寄り添うものだろうか。
宝生絵夢は、幼時に入院していたとき心身ともに担当医に救われ、感謝して自身も医師になりたいと思ったらしい。そのとき入院していた先が聖都大学附属病院だったのかもしれない。そして今、自身もそこで働いているが、多分、当時の担当医には再会できないでいるのだろう。だから彼の記憶の中で「先生」の顔が明確ではない。しかし声を聴く限り、当時の担当医が衛生省大臣官房審議官をつとめる医師の日向恭太郎(野村宏伸)であるのは(視聴者の耳には)明白であると云える。