テレヴィアニメ怪盗ジョーカー第四十一話

テレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」第四期。
第四十一話(シーズン4第二話)「砂の魔人と仮面の王」。
今週もNTTひかりTVのWEB配信で視聴。原作は小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第十九巻に収録された「砂の魔人と仮面の女王」。
原作に登場した敵は、三千年前、魔法の力で砂漠に栄えた王国のウーラ女王だが、アニメ版ではエジプト王国のファラオに変更された。だから「仮面の女王」ではなく「仮面の王」。変更の理由は、フェニックス=赤井翼を話に絡めることにある。なぜならテレヴィアニメ第三期の第二十八話(シーズン3第二話)「不死鳥と新たな仲間」で明かされていたように、ホッシー=アクルックスを眠らせ、フェニックスを石棺に閉じ込めた宿敵はファラオだったから。なるほど、魂を鉄の仮面に宿らせて永遠の生命を獲得し、魔法を用いて砂漠の砂を自在に操るファラオは、クイーンのみならずフェニックスにまでも苦戦を強いる相手とするに相応しい。フェニックスはジョーカーと共闘することで漸く、宿敵ファラオとの「永いゲーム」に決着を付け得た。
この変更に伴って、ジョーカーの仕掛けるトリックも少し変更された。原作ではジョーカーは懐中電灯の電池を用いたが、アニメ版ではファラオの杖を用いた。鉄を溶ける程に熱して南北の方角に沿うように置いて急速に冷やせば磁石になる。しかるに、ファラオの杖を熱しながら弾き飛ばし、南北の方角に沿わせるのはフェニックスの武器「フェニックス・アロウ」の役割だった。鉄の仮面を斬るためにクイーンの剣を用いるのは原作と同じだが、アニメ版ではファラオの杖と仮面を二つ一緒に「一刀両断」するところに妙味がある。
重要な設定が一つ明かされた点も注目に値する。ファラオがアクルックスを眠らせた方法は、磁石を食べさせたことにある。アクルックス=ホッシーは磁石を食べれば長期間の眠りに就く。その期間は、フェニックスによれば、永いときには一万年にもなるらしい。
ファラオは大昔、フェニックスの宝を奪っていたが、アクルックスとフェニックスを眠らせたあと、当の宝をインドの王に売却していた。ゆえに次の舞台はインド。「神の目を持つ少年」の話に繋がる。原作は小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第五巻に収録されている。
今回、解説役を担ったのはシルバーハートの仮面を被ったスペード。テレヴィアニメ第一期の第十話「華麗なる黄金特急」でスペードがシルバーハートの役割を奪ったのを想起する。あのときはシルバーハートがダークアイに扮していた。スペードがジョーカーを軽く馬鹿にして、ジョーカーが「ムカつく」のも同じ。