テレヴィアニメ怪盗ジョーカー第五十話

テレヴィアニメ「怪盗ジョーカー」第四期。
第五十話(シーズン4第十一話)「激闘!悪魔の牙!」。
今週もNTTひかりTVのWEB配信で視聴。今週もテレヴィアニメ独自の話だったが、後半には、ドクター・ネオ配下の殺し屋として、あのスナイパー幻魔が遂に登場。原作の小学館てんとう虫コロコロコミックス『怪盗ジョーカー』第二十三巻に収録された長編の名作「不死鳥と魔弾の射手」に登場した最凶の敵に他ならない。
スナイパー幻魔が狙ったのは、ドクター・ネオが捕獲したいと願望していた「宇宙人」フェニックスと、ドクター・ネオにとっては既に役割の済んだプレジデントD=ダンプ。フェニックスは、ドクター・ネオの狙いの通り、不意を突かれて撃たれ、生け捕りにされたが、ダンプは、ドクター・ネオの意に反してスパイダーAに助けられ、一命を取り留めた。
ダンプ自身が嘆いていたように、デビル・ファングは所詮はダンプの莫大な財力によって寄せ集められた烏合の衆でしかなく、ドクター・ネオの裏切りによって呆気なく崩壊した。これを機に、ドクター・ネオは昔日の犯罪組織ジャッカルの復活を宣言した。しかし赤サソリがドクター・ネオに従ったのに対し、スパイダーAはダンプを裏切らなかった。ダンプにとって、希望は幼時からの宿敵であり友でもあったキング、ジャック、クイーンだけではなかった。この上なく大きな救済がそこにあると云うべきだろう。
ともかくも、ジャック=怪盗ジョーカーと仲間たちの前に、最後の敵としてドクター・ネオ率いるジャッカルが現れた。配下には赤サソリとスナイパー幻魔という最悪の連中が従っている。
しかるに、ドクター・ネオとジャッカルは、あのプロフェッサー・クローバーと同じく、もともとはシルバーハートの敵だった。そのことは原作の第二十二巻に収録された「帰ってきた伝説のスパイ」で明らかにされているし、アニメ版の第四十六話「国際会議を狙え」にも示唆があった。こうして第一期と第二期の終結のときと同じ構図がここに出来上がった。ジョーカー、スペード、クイーン、ハチ、ダークアイ、ロコは、「師匠」シルバーハートと手を携えて戦うことになるのだろう。もちろんホッシーも一緒であるし、ダンプ=プレジデントDとスパイダーAも共闘するのかもしれない。次週には、シルバーハートの五十年前の仲間で、かつては美女だったエージェント・パープルも合流することだろう。
次週以降の話は、原作の第二十二巻「帰ってきた伝説のスパイ」と第二十三巻「不死鳥と魔弾の射手」を合わせる形で繰り広げられるのだろうかと予想されよう。ここで甚だ気になるのは、ジョーカーとハチにとっては既に一緒にカレーを食べる仲間となったフェニックス=赤井翼が、ジャッカルの捕虜となっていること。赤井翼の「不死鳥」の奇跡がなければ、「不死鳥と魔弾の射手」における怪盗ジョーカー史上最大の苦難を乗り越えることができない。原作からの大きな改変によって原作の魅力を大きく引き出してみせるのがアニメ版「怪盗ジョーカー」の妙味であり、大いに期待しておくしかない。