ド嬢アニメ第十二話/コミカライズ君の名は。第二巻

夜、ニコニコ動画バーナード嬢曰く。」公式チャンネル(http://ch.nicovideo.jp/bernard)で十二冊目「ひとり旅」を視聴。これは最終回だろうか。
原作の二十六冊目(第二巻93-98頁)を概ね忠実にアニメ化している。違うのは、町田さわ子がミカンの写真を神林しおり宛に携帯電話メールで送信する時期。原作で神林しおりはメールを受信したあとに『カッシアの物語』を読み進めながらそれを町田さわ子にも奨めようかと考え、長文のメールを送信するに至るが、アニメ版で神林しおりは町田さわ子に『カッシアの物語』を奨めようかと考えていたところへ町田さわ子からミカンの写真を受信し、返信に長文を送信するに至る。この改変の妙味は、ミカンの写真と、それに対する神林しおりの反応が事実上の「オチ」になった点にある。漫画とアニメの性格の違いを踏まえた改変であると云えるのかもしれない。アニメ版におけるミカンの写真が、原作におけるミカンの写真の忠実な再現になっている点も特筆に値する。
ところで。
深夜、新海誠原作/琴音らんまる漫画『君の名は。』第二巻を読み終えた。
原作=映画にも小説版にもなかった要素が色々追加されていて面白い。例えば、宮水三葉を宿した立花瀧に対する藤井司の感情は、映画でも少しだけ触れられてはいたが、この第二巻ではもっと明確に描かれた。宮水三葉を宿した立花瀧と、彼の父との和やかな関係。立花瀧の父が、普段の立花瀧には感じることのない寂しげな気配を、立花瀧の中の宮水三葉に感じ取っていたことも。立花瀧として生きる中で立花瀧に対して抱き始めた宮水三葉の想いも、立花瀧に宛てた宮水三葉の「メモ」において寸前まで明かされた。高山ラーメン店「吉野」の店主が、三年前の十月四日の夜、糸守町へ帰ろうとして、帰れなかった話。立花瀧を宿した宮水三葉名取早耶香を喜ばせるため、勅使河原克彦と一緒にバス停にカフェを作った話は、第一巻では明確には描かれなかったが、第二巻で確り描かれ直された。最も驚かされたのは、宮水三葉組紐が宮水二葉の形見として語られたこと。
無論これ等の要素は原作=映画に対する一解釈であると見られるべきで、これ等を逆輸入する形で原作=映画を観ることは避けられなければならないが、非常に興味深い解釈の数々であるに相違ない。