新海誠監督作品=星を追う子ども

夜、新海誠監督の作品「星を追う子ども」をブルーレイディスクで鑑賞。二〇一一年に劇場公開された作品。
新海誠監督作品群の中では異色作と位置付けられているようであるし、確かに「秒速5センチメートル」を基準にするなら、そのように見えなくもないのかもしれないが、それでもなお、新海誠の「作家性」は全体に漲っている。
なぜなら、光と陰の変化と対比、雄大な空間の把握、視点の転換における躍動、登場人物の表情、仕草、動勢、そして色彩豊かな星空の輝きと、神秘を告げる音声の煌き等の全てがこの作家の個性を表しているように思われるから。全ては「君の名は。」を先取りしている。換言すれば、「君の名は。」が「星を追う子ども」からいかに多くを受け継いでいるかを物語っている。
そのように考えるとき、「君の名は。」の大成功に対して「受け入れられる要素を集め、作家性を捨てた」とか中傷している連中が救いようもなく見当違いであることは明白だろう。
ところで。
この鑑賞にあたり最初は普段通りパソコンを用いていたが、半分位まで再生し終えたところで中断し、以後、何度試みてもそこまでしか再生できない事態に陥った。仕方なく普通にブルーレイディスクプレイヤーを用いたところ、問題なく再生できて、無事に鑑賞できた。再生用のソフトの仕様にも因るのだろうが、やはりブルーレイディスクの再生には専用のプレイヤーを使用した方が良いらしいと初めて感じた。近年はテレヴィを視ることが殆どないのでテレヴィモニターを長らく更新する気にもなれず、今なお地上デジタル放送に対応していない古くて小さな機器を用い続けているが(なぜならCATVを経由しているので、非対応テレヴィモニターでも地上デジタル放送を視聴できる環境にあるから)、ブルーレイディスクの快適な鑑賞のためには、やはり新しくて大きめのテレヴィモニターを導入しておくべきだろうか。