マギ第十二巻から第十四巻まで

夜、仕事からの帰途に大街道の書店に寄って『マギ』の第十五巻から第二十巻まで六冊を購入。
そして今宵も、大高忍『マギ』を第十二巻から第十四巻まで読み進めた。
ジュダルはアラジンについて疑念を表明した。マギは三人しか存在しないはずであるのに、四人目のマギ、アラジンが出現しているのはどういうことであるのか?と。そしてジュダルは、シンドリア王国とアラジンへの敵意をも表明した。
ジュダルも暗黒の組織の被害者ではあった。暗黒の組織の攻撃は執拗で巧妙で、実は練白龍の腕に罠を仕掛けていて、それがアリババとシンドバッドをも襲ったが、シンドバッドにはそれは効かなかった。この点に、シンドバッドが蔵する重大な秘密があり、彼の異様な強さの秘密もそこにこそある。多分、その秘密を知るのは八人将の中でもジャーファルだけだろうか。対するに、アリババの危機を救ったのはアラジンの「ソロモンの知恵」だが、アリババを内部から支えていたルフの中には、あのカシムの生命も混じっていた。
こうして激動の連続を受けて、練白龍は姉の練白瑛の拠点へ帰ることを決意。アラジンは魔法の修行のため、危険なマグノシュタットへ一人旅することを決意。モルジアナも同士マスルールの助言に従い、一度、故郷の現状を見ておくべく暗黒大陸へ行くことを決意。そこでアリババも、魔力操作の修行のため、武者修行も兼ねてレーム帝国の闘技場へ行くことを決意。四人それぞれ目的を定め、行先を決めてシンドリアを出立したが、アクティアの港へ上陸する直前、海賊「大聖母」の襲撃を受けた。
アクティアの港町の人々を苦しめる海賊を退治するため、一行は戦闘を始めたが、その過程で、練白龍の過去と煌帝国の過去が明かされた。アリババは練白龍の心にカシムを重ね見て、大いに心配したが、練白龍は一人旅立った。本当はモルジアナにも同行を求め、后として迎えたいとまで告げたが、モルジアナは感激しながらもアリババへの思い、アリババとアラジンへの思いのゆえに拒絶した。
アクティアの港町で三人一緒に過ごした一夜は、三人それぞれの思い、特にモルジアナには複雑な思いがあったが、大いに盛り上がった。
そしてアラジンは、マグノシュタットへ。道中、煌帝国の練紅覇と遭遇した。マグノシュタットでは、マギであることを悟られないように、ルフを操る力を封印して、あくまでも未熟な魔導士として魔法の学院へ入学した。マギとしての力を封印してしまうと、魔法使いとしては意外な程に無力だったアラジン。しかし最下級の教室で初歩から訓練と学習を重ね、大いに努力した結果、一ヶ月後の定期試験で非凡な能力を認められ、一気に最上級に昇級した。この快挙を、同級の仲間たちも鬼教師も涙を流して喜び、祝福した。
マグノシュタットの魔法の学院でアラジンは寮生活をしていて、同室にはエリオハプトから来たスフィントスが暮らしている。スフィントスは嫌味な奴かと見えて意外に陽気な楽しい人物。スフィントスは大きな蛇を身にまとっている。蛇の名はククルカン。この名は、スフィントスが尊敬する「エリオハプトのかの有名で偉大な英雄王」の名に因んでいるらしいが、アラジンはスフィントスの話を聴き終わらないまま寝てしまったので、当の「英雄王」の名は語られないで終わってしまった。しかし、どう考えても、その「英雄王」の名はシンドバッドの八人将の一人、シャルルカンに他ならないのではないか。