SAOコミカライズ版マザーズ・ロザリオ第二巻

　葉月翼作画/川原礫原作/abecキャラクターデザイン『ソードアート・オンライン　マザーズ・ロザリオ』（KADOKAWA電撃コミックスNEXT）。
　第二巻。ユウキ率いるギルド「スリーピング・ナイツ」の六名にアスナを加えた七名は、大規模なボス攻略専門ギルドの妨害を受けながらも、キリトとユイ、クラインの支援を受けて見事、第二十七層ボス攻略に成功。仲間内だけの祝勝会には、リズベット、シリカ、リーファ、キリト、ユイ（そしてエギル）が盛大な御馳走を準備しておいてくれた。しかし、楽しい会話の中でアスナが「スリーピング・ナイツ」へ加盟したい思いを明かした途端、なぜか六名は暗い表情で黙り込んでしまい、特にユウキは、アスナの優しい言葉に涙を流しながら姿を消してしまった。それどころか、以後は姿を見せなくなってしまった。
　いよいよキリトだけが気付いていたユウキと「スリーピング・ナイツ」の秘密が解かれ、アスナが行動を起こすことになるわけだが、それは続く第三巻の話。物語の真価はそこで明らかになる。
　後書で葉月翼は「何故か共感できるキャラ」としてリズベットを挙げているが、これには多くの人々が共感するのではなかろうか。ことに「劇場版ソードアート・オンライン オーディナル・スケール」では、キリトとアスナに対するリズベットのさり気ない気遣いが幾度も描かれ、その健気な性格が深く表されていたから、劇場で鑑賞した人々は皆、リズベットに好感を持ったに相違ない。