旅行記一/あべのハルカス美術館の北野恒富展/京都三条通から河原町を経て四条通まで祇園祭の神輿を見物して歩く夜

 旅行記一。
 休日。大急ぎ旅行の準備をして朝八時半頃に外出。九時十五分に松山駅を発って、岡山駅で新幹線に乗り換え、新大阪駅に着いたのは昼一時十八分。地下鉄御堂筋線天王寺駅へ行き、近鉄あべのハルカスの十六階へ。
 あべのハルカス美術館で今日まで開催されていた「没後七十年 北野恒富展 なにわの美人図鑑」を鑑賞。挿絵をよくし、ポスターを数多く手がけ、大阪画壇の中心人物でありながら院展の重鎮でもあった恒富には予て関心を持ってはいたが、初めてその全体像を観ることができた。会期最終日だが、来て良かった。
 展覧会を観終えたあと、図録とグッズを買い、あべのハルカスの十六階の庭園に出て大阪の景色を展望。地下へ戻り、コインロッカーから大きな荷物を取り出して、JR天王寺駅まで歩き、夕方五時五十分に出立。六時三十五分頃に京都駅へ到着。京都駅に近いホテルへ入り、iPhoneの充電をしながら休憩。
 夜八時頃にホテルから外出。地下鉄で烏丸御池駅へ行き、三条通寺町通へ向けて進めば、まさしく三条通寺町通の交わる位置で祇園祭の神輿の行列に遭遇。神輿が過ぎたのち、三条通から河原町通へ出てみれば、東の方から神輿の行列が来るところに遭遇。神輿が過ぎたのち、河原町通四条通へ向けて進めば、神輿の行列がさらに盛大に盛り上がっていた。
 折角であるので、八坂神社に参詣しておこうと思い、四条通祇園の方へ進み、鴨川の夜情を暫し眺め、夜九時二十分頃、漸く八坂神社に到着。石段には様々な国々から来たと見える大勢の観光客が坐して何か食べていた。石段を登り、門を入れば、なるほど、境内には沢山の夜店が並んでいた。あまりにも空腹だったので、神戸和牛焼肉一串を買い、それで夕食。定価六百円のところ閉店間際の投売ということで四百円。タレではなく塩を選んだ。空腹だったので、なかなか美味に感じた。夜店の並んでいる場所を抜けて、本殿へ。本殿前には沢山の提灯が灯されて、実に華やかだった。参拝を済ませて八坂神社をあとにした。
 今朝、京都のホテルを予約する際、京都駅前のホテルにすべきか、それとも八坂神社前の祇園ホテルにすべきか悩んだ挙句、京都駅前のホテルを選んだが、やはり今宵ばかりは祇園ホテルに泊まるべきだった。なぜなら宿泊室の窓から祇園祭の様子を眺めることさえも可能だったのかもしれないから。
 四条通で再び神輿の行列が盛り上がっているのを眺めながら西へ進み、祇園祭の御旅所の前まで来たところで、車道のみならず歩道までも通行止めの状態。そこで三十分間近く神輿を眺めていたが、そろそろホテルへ戻らなければならないと思い、名残惜しさを感じながらも四条通を東へ戻り、河原町通でタクシーを拾い、京都駅前のホテルへ帰着。
 移動中、ピカチュウ文様のiPhone袋をどこかに落として紛失したらしいことに気付いた。気に入っていたのに。ともかくも、ホテルの食堂で夜九時から十一時まで無料で供されている夜鳴蕎麦には辛うじて間に合った。これで夕食は完了。ホテル内にあるコンヴィニエンス店に寄れば、「君の名は。」の「一番くじ」があり、景品の中にはiPhone袋があった。紛失したピカチュウ文様のiPhone袋に代えてそれを使用したいと思い、五回ばかり挑戦してみたが、残念ながらiPhone袋の「F賞」を当てることができなかった。